2021年04月21日
実は、きのこ博士でもあるんです…!というお話です。
今週のゲストは東京農業大学学長・江口文陽さんです。
※リモートでのご出演になります。
ーー江口先生は、元きのこ学会会長で
「きのこ博士」としても知られています。
江口さん「地球の創生時代からキノコ、
あるいは微生物がなければこの地球上は
うまく構築されてこなかったと思います。
微生物…つまりキノコというものがあって、
その学問は知らず知らずのうちに研究
されてきたと私は考えております。
土を豊かにしてくれるミミズが
育つためには土壌がなければ行けません。
その土壌の中には有機物が存在しなくては
いけません。
木から落ちた葉っぱや枝を分解するもの、
そしてミミズの餌になる有機物を
作り出す…その根源となるものが
キノコなんです。
キノコはミミズの前に存在する一つの
生物であると私は言えると思います。」
江口さん「例えば、木が茶褐色にするのは
リグニンという成分なんです。
キノコはリグニンを分解する酵素を持っています。
リグニンの構造はダイオキシンなどの
構造などと非常によく似ているため、
ダイオキシンの量を自然環境から
減らしていく酵素を持っているともいえます。」
小黒「環境の修復に活用という点では
雲仙・普賢岳の噴火後の土壌回復に役立ったんですか?」
江口さん「雲仙・普賢岳においては
植物の種をヘリコプターから散布するだけではなくて、
植物が育つための根っこと共生する
菌根菌のコツブタケというものを一緒に撒きました。
植生回復の時に、微生物が役立つ。
それがまさに雲仙普賢岳に
緑をもたらすキノコの力が加わりました。」
ーーキノコ博士が勧める、キノコ料理とは?
江口さん「オオシロアリタケ、シロアリシメジと呼ばれる、
シロアリの巣の上部に出てくるキノコがあります。
これはシロアリの巣の糞をキノコが分解し、
栄養素として成長し巣の上部から土を破って出てくるキノコ。
それはとても旨味があって美味しいキノコなんです。
滅多にたべられないんですが、
シロアリとギブアンドテイクをしながら
人間にも食材の恵みを与えてくれるキノコも
あるということを知っていただきたいです。
このシロアリシメジは、
素揚げにしたり、天ぷらにしたり、
野菜と炒めて食べたりして
美味しくいただけます。」
今夜の選曲…北京ダック / 細野晴臣