2021年06月02日
フランツさんが感じる、変わらない日本の企業と働き方とは?
ドイツ日本研究所・所長、
フランツ・ヴァルデンベルガーさんを
お迎えしています。
※リモートでのご出演です。
ーーILO(国際労働機関)が掲げて
2015年国連が採択しSDGsにも
組み込まれている『ディーセントワーク』
…Decent work /働きがいのある人間らしい仕事、
というものが注目されています。
小黒「この考え方はドイツでは
昔からやっていましたよね?」
フランツさん「国連は開発途上国を
対象にしていると思います。
ディーセントワークは日本や
ドイツでも課題になっていますが、
一般的ではないと思います。
外国に進出している企業に、
その地域でディーセントワーク
ができる様義務つけています。
例えば、最近日本の
コーポレートガバメンスの
中にも人権を守るという
条件を入れる動きが
あります。」
小黒「日本では最近副業に
ついても推奨する様に
なりましたがドイツでは
どうでしたか?」
フランツさん「副業は
昔からあります。
主な仕事は夜まで続くと
副業とかは考えられません。
ドイツは労働時間を
厳しく守っているので、
朝早く7時からスタートすると、
16時〜17時で終わって、
残りの時間で他の仕事が
できる様になります。
ただ、ドイツ人は自由時間を
大事にしているので、
家族との時間など
コミュニティの時間を
そこに使おうとしています。」
小黒「長い間日本を研究
しているフランツから見て、
日本の企業は変わりましたか?」
フランツさん「昔は、
とても成功した人が多く、
そうした人たちが今企業の
トップにいます。その人達は
抜本的な改革はやり辛い。
日本企業は相変わらず
終身雇用制をとっている。
コアの従業員の割合は
少なくなっても企業は
家族であるということは
相変わらず強いです。
一括採用や就職活動が
大企業で重視されている。
それが変わらない限りは、
日本企業の在り方や
文化は変わらないと思います。
日本は企業だけでなくて
学校もそうですよね。
日本の育て方は
”組織の人間である”という
そして”組織は一つだけ”という
考え方が強いと思います。
ドイツは学校はお昼までで、
その後は民間のクラブで活動
します。それは学校とは
別の組織…そこに参加すると
いうことは子供の頃から慣れて
いて、企業に入ってからも
そういう文化はあまりないです。」