2021年07月08日
吉村さんの今後の展望とは?
作家の吉村喜彦さんをお迎えしています。
ーー学生時代から作家への想いが?
吉村さん:まさか自分が作家で
生きていくなんて全く思っていなかったんで。
大学時代に考えていたのは地方紙新聞記者、
あるいは大学院でマスコミとか
コミュニケーション論、精神分析の
研究をやりたいと思っていたんです。
ただ、なんかの拍子にサントリーを
受けたら通って、宣伝いきたいって
言ったら通ったんですよ。
宣伝だったらコピー短いから
記事書くよりずっと楽やん!って
楽な方に流れていったんです(笑)
小黒:今思うとストレートに
作家を目指していたら
どうなっていたんだろうとか、
そういうこと思わない?
吉村さん:消去法、消去法で
言ったらサントリーやめて
独立した時も何かクリエイティブを
したいというのはあったんですけど。
自分が作家一本でいくのは
怖いじゃないですか。
特に小説は一番怖いと思っていました。
ノンフィクション作家とかを
色々やっていくうちに、消去法で今、
小説を書くしかないとなってますけど、
最初は音楽制作やイベントをやりたいと
思っていたわけですよね。
それがどんどん自然に消去されて、
今はこれしか残っていない形ですかね。
ーー吉村さんは雑誌月間『地域人』で
全国の漁師を取材する港町ブルースを連載されています。
吉村さん:この港町ブルースというのが
僕の第二弾で、2000年から取材を
始めていた「漁師になろうよ」という本が始めです。
僕がフリーになってからの話ですが、
サントリー時代は保健があるし、
定期的な収入もあって会社に守られている。
でも、フリーになって守ってくれるものもない。
女房と2人で夫婦船でやるしかない時に、
ものすごい不安なんですが、
仕事は獲得してこないといけない。
そうした時に、漁師ってそういうところで
頑張ってる…そこに何か惹きつけられる
ものがあったんです。
そのきっかけになったのも
沖縄の珊瑚礁の海で獲ってる人の話から始まったんです。
ーー今後、吉村さんが描きたいテーマとは?
吉村さん:やっぱり僕は、漁師に興味があるし
水に関する話は一つあると思います。
清澄白河や深川あたりの”江戸”みたいなものは
大阪人としてすごく興味があります。
あとは炭酸ボーイの登場人物たちの仕事…
地域おこしの話など…そんな観点が
星雲のように渦巻いていますね。