2021年09月07日

日本の美術界に根づく問題、というお話伺います。

株式会社麗人社・代表取締役社長の野口和男さんをお迎えしています。
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※リモートでのご出演です。

ーー野口さんは会社設立時に
日本の美術界は複雑であり、
旧態依然とした仕組みに
「一石を投じたい」
そんな思いもあったそうで? 

野口さん:理想としていたことの
10分の1も変わっていないと
思っています。
世界の中での日本の美術市場を
考えてみると、貢献できた
実感は全くないですね。
主には作品の評価制度です。
例えば美術年鑑なんて作家の
番付表みたいなのはありますが
日本独自の仕組みです。
海外ではこの作家が1号あたり
いくらだという表はないんです。
例えば1号あたり20万とか
つけられている作家がいるんですが、
10号では200万円になる。
でも、日本で決して有名じゃない方の
作品が200万で出されても買わない
じゃないですか。
だから、正当な値段をつけていく
必要があるんだと思います。

小黒:麗人社で縁のある日本の
作家ってどのくらいいて、現場の
スタッフはどのくらいの規模
なんでしょう?

野口さん:今、社員は25人います。
大阪の方が本社になります。
東京のギャラリーは3人で回して
いますが、業務内容が異質です。
東京の方は若い作家を中心に
やっているんです。大体80人くらい
の作家を扱っている形です。
大阪の本社は何百人、何千人の
作家を抱えています。

小黒:絵描きになろうと思っても、
絵筆一本で食べれる人ってほとんど
いないですよね。

野口さん:ほぼいないと言っていい
ですね…。みなさん、色々ですが
画材屋さんでバイトしながらだったり、
家業を手伝いながらだったり…色々です。
絵の収入だけで年間何百万円というのは
本当に難しい。
ですが、我々もそれができる作家を
作りたいというのがありまして、
絵一本で食べていける作家さんを
育てたいと思っています。
海外の評価というのは非常にシビア
ですが、そこで認められると本人に
とっては非常に嬉しいと思います。

staff| 21:00 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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