2021年09月13日
今夜は、戦前のレコード……SP盤の蒐集というお話、伺います。
レーベル「ぐらもくらぶ」主宰、戦前レコード文化研究家の保利透さんをお迎えしています。
※リモートでのご出演です。
――まず、戦前レコード文化研究家という
肩書きは音楽評論家とは違い、
戦前のSP盤に特化していらっしゃいます。
保利さん:戦前のレコードを研究するのは
昭和史というよりも日本史の研究に近いです。
戦前戦後のあり方はやはり違うので、
音楽のあり方も違ってきます。
それから、SPレコードというのは
昭和30年ごろまで存在していたのですが、
テクノロジーの変化という点も密接に
関係しています。
SP盤の世界というのは、今の人に
説明しないとわからないメディアになっています。
レコードと聞くとLPレコードを
思い浮かべる方が多いですが、
それよりも前のものなんです。
小黒:LPと違う点は回転数ですか?
保利さん:回転数と素材と、録音方法
などが違っている点ですね。
――SP盤の蒐集家でもある保利さん。
今までに集めたSP盤はなんと7000枚!
保利さん:流行歌のレコードをメインと
しつつ、演説のレコードといった録音の
歴史に関するもの。それから、マイナー
レコード会社のレコードなんかも
集めています。マイナーなレーベルの
レコード会社は数えるほどしか
なかったのですが、商標ですね。
商標自体はたくさんあるんです。
小黒:こうしたSPレコードは
どうやって鑑つけるんですか?
保利さん:タイトル買いっていうのも
あります。それから、歴史的な
音源が面白いレコードかなと思うためには
見識が必要になってきます。
例えば、演説をしている人が
どういう人なのか、録音物のタイトルなど
…見識によって選んできます。
あと、音楽の場合は作詞作曲家で
選んできたりします。