2021年11月23日
最新著書「星に絵本を繋ぐ」そこに込められた想いとは?
画家、そして作家の井上奈奈さんをお迎えしています。
――井上さんの最新作『星に絵本を繋ぐ』が、
雷鳥社より発売されています。
その相当特殊な本の内容とは?
井上さん:元々は、絵本を作るハウツー本を
作ろうという話から、普通のハウツー本じゃ
面白くないなという話になったんです。
私の絵本がどのように作られてきたか
ということに特化した内容にしていきました。
この本自体は3章仕立てになっていて
1章は私の作ってきた本のディティールを
新たに撮り直して、それに携わった人たちに
インタビューをしながら作品を紹介しています。
2章では、絵本を作るのに大切にしている
10のこと、という題で「猫のミーラ」という
作品を例にして綴っています。
そして、3章は絵本創作ワークショップについて
を紹介しています。
小黒:僕はこの本の装丁に驚いたな。
縦長の手帳みたいな形で…これは
誰のアイデアだったんですか?
井上さん;これは女性が手に持って本を
読んでいる姿で美しい形というのを
想像して私が決めました。
小黒:そして、この絵本についている
スピン…栞が普通は上からつけているのに
下からついているのは何か狙いが?
井上さん:私が小説を読む時にスピンを
下から上にあげないといけないのが
すごく嫌だったんです。
これを下につけると重力で下に
垂れ下がる…それは便利だと思って
いて、自分がスピン付きの本を
作るときはそうしようと考えていました。
でも、普通のフォーマットを変える
理由にはそれだけでは足りないと
思っていました。
なので、今回は表紙に馬の絵があるので、
スピンを馬の尻尾という形で表現したら
面白いし出版社の方も受け入れてくれるのでは
と思って提案しました。
やっぱり他の人と同じことをしていくのは
つまらないし、自分のやりたいと思った
判型は叶えていきたいなという思いはありますね。