2022年01月04日
”SDGs”をただの掛け声にしない!根幹を考える
生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
昨年2021年から、日本で大きく広がった”SDGs”。
企業や教育現場でも、大きく取り上げられています。
しかし、米国ニューヨークにおいては、
『SDGsという単語は日常会話で出てこないし、誰もあのバッチもしていない』
と以前、福岡さんはおっしゃっていました。
今でも変わらないのか、改めて伺いました。
福岡:そうですね。ただ、カーボンや地球温暖化の問題は
非常に大事な問題であると、NYでも皆考えています。
SDGsの基本は、”人間が地球にどのように責任を持つか”ということです。
ここでキーワードになるのは、私の生命理論でもある『動的平衡』と
その結果として現れる『利他性』だと思います。
自分にとって排泄物やゴミは、他の生物にとっては資源であり、
栄養である有機物あるので、常に手渡すのは『利他的な行為』と考えられます。
人間以外の生物は、過剰なものは流れに戻し、手渡すので溜めておきません。
しかし、人間は言語などを作り出したために、物をとどめて溜めてしまう。
それをいかに手渡すか、ということが、環境問題の基本的な
生命哲学になっていく。SDGsもそこから考えないと、
単なる掛け声に終わってしまうのではないか、と危惧しています。
今夜の選曲:DUHONT'AR AR MANE / 仲野麻紀