2023年06月05日
「スナメリの出産とラッコ・ブーム」お話
今週のゲストは、水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。
中村さんは1956年三重県生まれ。
1980年に鳥羽水族館に入社され、飼育係、企画室長、副館長を経て、2002年に独立され、
水族館プロデューサーとして、新江ノ島水族館、サンシャイン水族館をはじめ、
多くの水族館をプロデュースされていらっしゃいます。
また講談社ビーシーより発刊されている、
中村さんの著書『中村元の全国水族館ガイド125』は
水族館ガイド本として2005年の最初の発行から4冊目の改訂版になります。
(↑の写真で中村さんが手にしている本です。)
もともとメディア関係の仕事に就きたかったという中村さん、
「水族館も人に見せて伝えるものだからメディアだ!」と考え水族館え進んだそう。
水族館入社後は「何かを伝えるためには、その生物のことを知らなければならない」と考え、
飼育係を経て、自分で作った部署「企画室長」を担っていました。
この部署は、中村さんが営業部で営業をして回るよりも、
飼育係の時に撮影した「スナメリというイルカの出産シーンの映像」が
全国のメディアで放送された時の方がずっと人が増えている手ごたえを感じたことから、
これを専門にできる場所が欲しいと館長に頼んで、作られた場所だそうです。
企画室長としての仕事で最も手ごたえを感じたのは、ラッコ!
当時社会的に知名度が無く、毛皮の名称として使われていたラッコについて
どうやっておなかの上で貝を割るのか、といった生態を撮影し
メディアに持ち込んで伝えたそうです。
実際の集客としては、70万人だったお客さんが、200万人まで増えたそうで、
その後全国の水族館でラッコの導入がはじまったそう!
それまで毛皮としてしか知名度のなかったラッコの
「生態系にも影響を与えてしまった」と話してらっしゃいました。
今夜の選曲… SOMETHING NEW/高橋幸宏