2023年10月31日
ジャズとの出逢い、そしてパリへ
今週のゲストは、サックス奏者の仲野麻紀さんです。
子どもの頃からミュージシャンを目指していたという仲野さん、
どのような音楽を嗜んでいたのか。
「10歳頃には父がカセットテープに録音していた、油井正一さんなど、ジャズのスタンダードなものを聴き始めた記憶があります。
15歳の時にエレクトーンを弾きながら、その延長線上でジャズピアノに興味を持った際、武満徹さんの『SONGS』に衝撃を受け、のめり込みました。」
ジャズに魅せられた仲野さん、「ジャズといえばアメリカ」というイメージがありますが、なぜ渡航先にフランスを選んだのでしょうか。
「アメリカのジャズだと思っていたものは、1890年代のパリでとても盛んだったもの。そこにはエリック・サティがいたり、19世紀末にはラベルやドビュッシーがアメリカのジャズとは異なるフランスのエスプリ(スピリット)を持った下地を作っていたことがわかった。」
仲野さんはフランスで演奏する中で、ジャズに関りが深いのは奴隷船と奴隷の人たちなのだと確信しました。
そしてヨーロッパ大国、アフリカ大陸、アメリカを繋ぐ三角貿易の中で、砂糖や金がフランスへ戻ってくるように、
”20世紀初頭にジャズはフランスへ帰ってきたのではないか”と考え、
「フランスを選んだ理由がここにあったのかもしれない」と
分析しています。
今夜の選曲… イスファハン / 渋谷毅、仲野麻紀