2023年12月26日
ロゴスからピシュスへ
今週のゲストは、生物学者の福岡伸一さんです。
福岡先生と坂本龍一さんは、それぞれ音楽/生物学という異なるジャンルに
身を置いていますが、“ロゴスからピュシス”へという点で共通しています。
ロゴスとは言語・デジタルのことで、ピュシスは本来の自然の
そのままのあり方という意味です。
坂本さんは、YMOという形で世に出て、音符一つを分解し再構成する
デジタル音楽で一世を風靡しました。その後メロディアスな方向へ進み、
それでも飽き足らず、自然音・ノイズといった“本来の自然の音こそが
音楽だ”という方向へ進んでいきました。
福岡さん曰くこれこそが“ロゴスからピュシスへの人生行路”
また福岡さんも、当初は生命にとって究極のデジタル情報である“遺伝子”を研究していましたが、これだけでは生命が生きているという“動的”な
部分が分からないと気づき“動的平衡の生命論”へパラダイムシフトしています。
「ロゴスからピュシスというある種の旅だったので
2人の旅路がですね同型をしてると、
1人は音楽で1人は生物学なんですけど、
その辺がウマがあった理由なんじゃないかなと思うんですね。」
福岡さんは2024年に開催される大阪万博で、テーマ事業プロデューサーの1人として『いのち動的平衡館』というパビリオンを作ろうと
東奔西走しています。
「テーマ感は、最先端医療とかテクノロジーやソリューションを
見せるのではなくて、生命とは何かっていうフィロソフィーを
見せようとしてるわけですね。」
「やっぱり単なるテクノロジー信仰ではなくて、もう一度生命のね、
エネルギーやあり方を考えるべきだという
岡本太郎の思いを継いでですね私も生命の哲学を見せたいということですね。」
今夜の選曲… 20210310 / 坂本龍一