2024年07月09日
シルクを身近にした富岡製糸場
今週のゲストは、紀行作家で、一級建築士の稲葉なおとさんです。
現在、稲葉さんのノンフィクション作品『絹の襷 富岡製糸場に受け継がれた情熱』(慶應義塾大学出版会)が発売中です。
この本を制作するにあたっての取材はとにかく手探りで行われました。
まずは稲葉さんの専門が建築だったことから、富岡製糸場という建物がどのような状態なのか見に行くと、ちょうど屋根の修繕工事をしており、話を聞きたいと伝えると、建設会社に案内されたそう。
その後、建設会社の課長さんから富岡製糸場に非常に詳しい人がいると紹介され、、、という風に取材相手を探していったということ。
「コロコロコロという風に自分が転がっていく中で、一番会いたかった人に会えたという。」
世界遺産は文化遺産/自然遺産/二つを兼ね備えたものという3つの種類があります。
富岡製糸場は文化遺産として認定されました。
建築的な観点では、明治5年に建築されたものが、非常に保存状態が良く、町の中心に建っているということが。
また、世界遺産の認定基準は、単体としてではなく、周辺も含めて世界の宝であるという視点があります。富岡製糸場ができたことで、日本国民だけではなく、世界の人たちにとっても手が届かなかったシルクを身近に感じられるようになった。ということで、評価を受けたのではないか?と稲葉さんはおっしゃっていました。