2006年08月31日

【第51回】「築地の朝めし」 かじわら

 もうすぐ発売になる『エロコト』の取材が、すべて無事に終わったらしい。それにしても、坂本さんの口車に乗せられて、よくここまで来たもんだ。
 ご存じない方のために説明すると『エロコト』は、坂本龍一さんが編集長を務めるソトコトの別冊。エコ+エロでエロコトだといって、ロハスピープルのための性カルチャーマガジンをうたっている。
「日本の環境にはエロスが足らない。エロスは生命の根源だ」と坂本さんにいわれて 「じゃあ、やってくれ」とつい言ってしまったけど、本当にこんな雑誌をだして良いのか疑問だよネ。まぁ、今までにない雑誌になるのは確かだから良しとするか。9月26日(火)発売。

【第51回】「築地の朝めし」 かじわら
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日替わり膳 (鰆の柚庵焼と鯵の天ぷら) 1000円

この日は築地で朝めしを食えず、昼に第二編集室の近く『かじわら』へ。鰆は文字とおり春の魚なんだけど、ほぼ一年中、北海道以南の日本近海で捕れるそうだ。

staff| 18:21 | カテゴリー:小黒一三 築地の朝めし

2006年08月28日

【第50回】「築地の朝めし」 こはく

 相変わらず忙しく、毎日誰かしらと飯を食って酒を飲んでいる。先日お世話になっている福岡伸一先生と、ウチのスタッフの三人で飯を食いに行ったのだが、翌日二人が腹を壊した。レバ刺しか何かがあたったらしい。しかも、先生はかなりひどかったそうだ。私はというと、全くなんの問題もない。先生には申し訳ないが、この日は野生の勘が働いて、あまり手を付けなかった。人間、直感を大事にしないとネ。上手いモノに出会うにもこれが大事。
 今回は記念すべき第50回目。やはり日本人の朝めしと言えばこれだろう。

【第50回】「築地の朝めし」 こはく
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おにぎり(おかか140円・わさび葉 170円)と味噌汁(160円)。
握ってもらって、その場で食べるのが一番上手い。

staff| 12:32 | カテゴリー:小黒一三 築地の朝めし

2006年08月22日

【第49回】「築地の朝めし」 茶房 四季

築地のニューカマー
 近頃、築地で店じまいをするところが増えてきた。典型的な個人経営の店が多く、都心にあるという立地だから、2代目、3代目となると家を継ぐより就職したくなるんだろう。もちろん、家業を立派に継いでいる人もいる。

 一方で、歯抜け状態になった跡を埋めるように、新しい店もできている。この間も、2軒新しい飲み屋ができていた。おかしなことに、2軒とも木の黒壁と白い塗壁。もともと、築地は銅板建築だから、唐突というか、奇妙な感じ。

 とりあえず、1年持っている店では、築地の木造3階建てを改造した南欧料理屋、珍しく夜遅くまでやっているので、築地の若い奴らがたむろしているバーなんかがある。若い人たちも、築地を盛り上げようと頑張ってくれている。応援してあげたいね。

 今日の朝めしは、最近できた喫茶店。中に入ってみて、その特異性に驚かされた。


第49回 築地で一番新しい喫茶店 「茶房 四季」
 編集部の程近く、酒屋が閉店した後に、ちょっとした改装をして喫茶店ができた。店に一歩はいると、まるでどこかの待合室のような素っ気ないたたずまい。ここのマスターの話しが面白かった。

コーヒーはすべて200円。トーストも200円。

staff| 21:20 | カテゴリー:小黒一三 築地の朝めし

2006年08月21日

【第48回】「築地の朝めし」 米花

高校野球と築地
 私は興味がないが、夏の甲子園が盛り上がっているらしい。なんでも、東京代表の早稲田実業が決勝まで進んでいる。甲子園は、築地タイムで過ごす人なら全試合見ることができる。普段、昼間なんざロクな番組やっていないから、河岸の人にとって甲子園は絶好の娯楽。しかも地元(?)の早稲田実業が決勝に残ったので、一応の盛り上がりを見せている。盛り上がっているのは、ニギッているからだと思うけど。

 ここで、早稲田実業と築地の縁について。ご存知、テリー伊藤は早稲田実業出身。今や、このブログと双璧をなす築地の宣伝塔であるからして、築地の人は早稲田実業が好きなんだろう。嫌いかもしれないけど。

 そして、早稲田大学を作った大隈重信が最初に住んだのが築地本願寺の近く。日本に鉄道を敷く計画を練ったのは築地の大隈重信の家だそう。

 ちなみに、慶応義塾は最初築地にあった。今でも編集部の近くに碑が残る。立教大学も築地で誕生。これは、築地に外国人居留地があったから。築地は、昔から文化薫る町だったということ。


第48回 世界の国からいらっしゃい 「米花」
 そんな、ハイカラ築地の面影は残さないが、インターナショナルなたたずまいを見せる「米花」へ。ウナギ屋だけど、ウナギ料理ばかりではない。入り口には、中国語、英語などでメニューやら、箸の使い方やら書いてある。


刺身定食1300円。

2006年08月17日

【第47回】「築地の朝めし」 豊ちゃん

お盆明けの築地
 やっと河岸が開いた。月曜から水曜まで河岸はお盆休み。すると、市場の外の店までお盆休み。朝めしはおろか、昼めし食べるのも、開いている店を探すのに一苦労。町も、さながらゴーストタウン。開いている店を探しまわっていると、暑いし汗ダクダク。市場が移転しちゃったら、このアタリはどうなってしまうのか?

 久しぶりの、開市日。殺気立っているかもしれないが、場内へ行ってみる。すると、肩透かし。意外にのんびりとした雰囲気。市場は今日からだが、漁師さんも今日から仕事始めたとすると、やっぱり品薄になってしまう。ただの休み明けだから、初市のように、ご祝儀相場が立つわけでもなく、むしろ休み疲れかな。

 元気なのは、夏休みに築地に来た観光客くらい。最近は、お盆だからといっていっせいに休み、ではない。ブログを読んでいるみなさん、夏休みには築地にぜひ。自分へのご褒美も、家族サービスも、食育も、デートも。築地はディズニーランドに匹敵するテーマパークなんだから。


第47回 築地の重量級が集う店 「豊ちゃん」
 場内1番館には、ある意味で「そうそうたる」店が並ぶ。吉野屋1号店、イタリアン、洋食、カレー。寿司屋もあるが、およそ築地らしくない店ばかり。その中でも、客の肥満度が高い店が「豊ちゃん」。雑誌なんかでは、カツどんのカツとご飯を別にしたメニューがよく載っている有名店。私にはあまり縁のない世界なので、50回を前に初登場だ。


親子丼750円。意外?に通常サイズ

2006年08月10日

【第46回】「築地の朝めし」 黒川

編集部の前のビル
 ソトコト編集部があるビルの向かいに新しいビルを建てている。取り壊し、基礎作りを経て、ようやく形になってきた。よく見ると、決して広くはない土地なのに、二つのビルを建てようとしているらしい。建設会社も2社。競い合うように工事が続くが、右側の方が進み具合がよろしい。

 築地も、おそらくビルの高さ制限があって、大概のビルやマンションは同じ高さ。数えてみると、8階建てのものがおおい。本当は、何メートルと決まっているんだろうが、末広がりの8は縁起がいい。編集部が入っているビルも8階建て。隅田川沿いや、大きな通り沿いは例外だけど、みんな8階建てというのも気持ちいい。

 最近できたマンション、なんと名前に「銀座東」をうたっている。東銀座のそのまた東。築地と名乗るより、銀座の方が不動産の価値が上がるのだろうか? 向かいで工事中のビルは、なんて名前になるのだろう。築地と堂々と名乗って欲しいネ。「なんちゃら銀座東」の向かいで仕事したくない。


第46回 野菜がうまい真っ当天ぷら 「黒川」
 本当に暑い日が続く。こんな時は、太陽の恵みをたっぷり浴びて育った夏野菜を食べるに限る。冷たいものばかりだと、太陽に負けてしまう。で、今日の朝めしは天ぷらの「黒川」。えっ? と思う人もいるかもしれないが、朝の9時から開いている。


野菜天丼900円。リーズナブルだ。

2006年08月07日

【第45回】「築地の朝めし」 深大寺そば まるよ

ソトコト9月号、発売中
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 ソトコト9月号が、この間の土曜日に発売になった。テーマは「ロハス・ミュージアム・ガイド」。本格的な紹介は日本初、のフランス・シラク大統領肝入りでオープンした「ケ・ブランリ美術館」が巻頭を飾る。これは、西洋以外のアジア・アメリカ・アフリカ・オセアニアの文化を紹介するミュージアムだ。単に「プリミティブ・アート」というような言葉ではくくることができない、魅力的なものが展示されている。こういうミュージアムを、「お勉強」を全面に出さずに、高級感あるつくりにするのはサスガ。

 そのほかにも、中沢新一さんと坂本龍一さんが諏訪で縄文文化を紹介する特集など、今月号も盛りだくさんの内容。ロハスデザイン・ウィークの空間プロデュースをしてもらった谷川淳司くんも登場する。この夏は、町へ出て涼しいミュージアムで、楽しく、かっこよく知性を磨こう!

 築地市場も、立派な「体験型ミュージアム」。勝鬨橋には、正真正銘のミュージアム、「橋の博物館」もある。まだ行ったことのない人は、夏休み取って行ってみてネ。


第45回 真夏のアウトドア・ソバ 「深大寺そば まるよ」
 ソトコトの発売に合わせてか、ようやく夏らしくなってきた。でも34度は異常だよね。やっぱり温暖化なのか? みなさん、ソトコト読んで、いろんな知恵で温暖化を楽しく乗り越えましょう!


山菜そば500円。

2006年08月04日

【第44回】「築地の朝めし」 きつつき

築地の鳥
 築地の鳥といえば、カラス。といえば、河岸では「最後の聖戦 ヒトvsサカナvsカラス 」のような、ヒッチコックも真っ青の風景が毎朝繰り広げられている風景が思い浮かぶかもしれない。でも、築地のカラスって、思ったよりも多くない。奴らは頭がいいらしいから、早朝に河岸の連中と「仁義なき戦い」するよりも、銀座行った方が簡単に食べ物にありつけることくらい分かるんだろうネ。

 編集部にいるとカラスはよく見かける。銀座という食糧倉庫があるからか、あまり凶暴ではなさそうだ。ヒトが襲われるなんて話しもあまり聞かない。築地のカラスは、実は羽振りのいい部類に入るのかもな。

 人気の消えた、昼下がりの築地場内市場に、実はカラスが大集合なんてのもあまり気持ちのいい話ではない。臭いとか、汚いとか言う人もいるけれど、河岸の人は仕事が終わったらキレイにして帰る。カラスが食べるものなんてない位。


アイスカフェオレととろろソバで1,150円也。


第44回 チャンと豆を挽く喫茶店 「きつつき」
 今朝の朝めしは、鳥つながりで「きつつき」。築地駅から、編集部へ向かう道すがらにある。この間は、映画かテレビドラマのロケをしていた。観光客はまず見かけない、築地場外の外。結構古い家が残っていたりして、いい雰囲気だ。ソトコト編集部へお出での際は、時間に余裕をもってこのアタリに迷いこむのも悪くない。

2006年08月01日

【第43回】「築地の朝めし」 天房

インターンの学生がやってきた
 立派なもので、ソトコト編集部が大学生のインターンを受け入れることになった。で、昨日から大学3年生の女性が来ている。ソトコトも、立派にCSRしているということです。ソトコト出し続けることが、うちの会社のもっと重要な社会的責任かもしれないが。さて、インターン生夏休みなのに、働くというのはいい心がけなのか、どうなのか? 茨城からやってきて、ホテルを借りているらしい。

 このインターン生と朝めしを食べることにした。なんでも、茨城なのに生の魚が食べられないという。あんこう鍋も食べたことがないそう。まあ、大学生の時なんて、あんまり良いもの食べてないよね。生の魚がメインじゃやんくて、ブログに登場していない店ということで、「天房」に行ってみる。

 築地市場も未経験らしいので、現地でざっと説明。さすがに、セリを見るには時間が遅すぎる。一度、早起きしてセリをみなさい、とアドバイスしておいた。天気もよく、暑すぎない日だったので、少しウロウロしてから、「天房」に入店。


天ぷら定食1400円。


第43回 ストレート、骨太?の天ぷら 「天房」
 天ぷらは嫌いではない。でも築地でいい天ぷらやと言えば、場外の外にあったりする。その店は、またの機会に紹介するとして、「天房」。油を多用する料理なのにも関わらず、思ったほど店内がギトギトしていない。ひどい店なんかだと、床まで油で滑って転びそうになるけど、ここは大丈夫。

2006年07月28日

【第42回】「築地の朝めし」 富士見屋

アフリカの話
 ソトコト編集部には、うちの会社が経営しているケニアの「ムパタ・サファリクラブ」の事務所もある。先日まで、夏休み恒例となった桐蔭学園のキャンプに引率として同行したスタッフが帰ってきた。話しを聞くと、特にトラブルもなく、今年も若い人たちがケニア・マサイ族の土地を堪能できたようだ。

 若いうちに、野性というか、そういうものに触れておいたほうがいい。都市生活を送っていると、人間本来持っている野性や感性がどうも鈍ってくる。築地もそう、生ものを丁々発止とやり取りする様には、人間の野生に近いものがある。金融のディーラーも近いかも知れないが、目に見えるものを扱う、とくに魚なんかを扱う方がよりライブ感があるように思う。

 もう若くなくても、築地とムパタ・サファリクラブは皆さんをお待ちしていますよ。若さとは、年齢ではなく気の持ち方なのだから。


第42回 うどん・ソバは場内でここだけ 「富士見屋」
 先ほどのスタッフに、「日本に帰ってきたらいつも何食べる?」と聞いたら、「おそば」だそう。さすが信州生まれ。というわけで今日はライブ感あふれる場内で唯一おそばを扱う「富士見屋」へ向かう。ここは、場内の食べ物屋の中でも、一番朝日新聞やがんセンターに近い、ちょっと離れ小島のような一角にある。


カモだんごうどん950円。



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