7月9日は、アルゼンチンのシンガー/ソングライター、フリアン・モウリン(Julian Mourin)をゲストにお迎えしました。
フリアン・モウリンはアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの出身で、2012年にファースト・ソロアルバムを発表。中南米諸国をはじめスペイン、ニューヨークでもライヴを行ない、6月の下旬に初めての来日公演を行ないました。
「私の両親は、音楽家ではありませんが音楽を聴くことが大好きで、家にはいつも音楽があふれていました。
少年時代はレオン・ヒエコ、メルセデス・ソーサなどのアルゼンチンのポピュラー音楽や、ラテンアメリカの音楽、アンデスのフォルクローレなどを聴いて育ちました。
青年になってからは、ローリング・ストーンズなどのロックを聴くようになりました。
ある日、父親から”これが世界で最高の音楽だ” と言われて、家にあった1枚のレコードを聞かされました。それは、ブラジルのトッキーニョとヴィニシウス・ヂ・モライスがブエノスアイレスでライヴ録音した「ラ・フーサ(La Fusa)」というレコードでした。
最初はあまりピンと来ませんでしたが、聴き返すうちにだんだん好きになり、そこからブラジル音楽に対する興味が広がって、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルなどの音楽も聴くようになりました。
また12歳から24歳まで毎年、夏に家族でブラジルに旅行していたので、ブラジルの文化に親しむ機会も多くなりました。
ですから、アルゼンチンのフォルクローレとポピュラー音楽、そしてブラジル音楽が、私自身の音楽のバックグラウントになっています」。
フリアン・モウリンのニューアルバム「カンシオネス・カリンバス」は、子供のための音楽のプロジェクトで、フリアンはギターだけでなく、カリンバ(親指ピアノ)も演奏しています。このアルバムを作った動機について・・・
「このアルバムに入っている曲のほとんどは、私の妻、ソフィーのお腹に子供がいた時に作った曲です。
当時、私は彼女のお腹に向かって、毎日のようにカリンバを演奏していました。
子供がお腹の中にいる時に聴いていた音楽を生まれてからまた聴くと、泣きやんだり、リラックスできる効果がある、という話を聞いていたので、実験を兼ねて演奏していたのです。
カリンバには12種類の音しかなく、ギターに比べるとシンプルな楽器ですが、私は、限られた音だけで演奏する楽しさを覚えるようになりました。
でも、それをアルバムにすることは考えていなかったのですが、娘が生まれてから、私の友人の音楽家たち、アインダ・ドゥオ(Ainda Duo)の2人に会ったときに、話をして曲を聞かせたところ、とても興味を持ってくれました。
“素晴らしい作品ができると思う。自分たちと一緒に、子供のための曲を作ろう” と言われ、彼らのホームスタジオで妻のソフィーと一緒にレコーディングして、アルバムが完成しました」。
YouTubeで、奥様のお腹に向かって、そして生まれたお嬢さんに向かってカリンバを演奏している映像がご覧になれます(こちら)。
Julian Mourin公式YouTubeチャンネル
スタジオライヴでは、ギターの弾き語りで「Abunduncia(アブンドゥンシア)」、カリンバを弾きながら「El Rio y la Flor(エル・リオ・イ・ラ・フロール=川と花)」の2曲を生演奏。2曲目は奥様のお腹の中にいた子供に向かって聞かせていた曲でした。
JULIAN MOURIN, SOFIA URRUTI / CANCIONES KALIMBA
大洋レコード(TAIYO 0030)