2017年12月31日
12/31のゲスト:ヘナート・ブラス
12月31日の放送、2017年スタジオライヴ・セレクションの中でこの日、初めてゲストにお迎えしたアーティストが、11月下旬から12月初旬に来日公演を行なったブラジルのシンガー、ヘナート・ブラス(Renato Braz)。
ヘナート・ブラスは1967年、サンパウロ生まれ。90年代から活動を始め、2004年、ブラジル音楽にも精通しているアメリカ人サックス・プレイヤーのポール・ウィンターと共演し、アメリカでもデビューしました。
「私は友人たちと一緒に歌い演奏しながら音楽を覚えました。
また、私の両親はブラジルの田舎の出身で、母はサンパウロ州の内陸を流れるパラナー川のほとり、父はバイーア州の内陸部パラグアスー川のほとりで生まれました。
私も音楽を通じて自分のルーツをたどり、父の故郷に伝わる楽器、ビリンバウや、母の故郷に伝わるラテンアメリカ的なパーカッションを知りました。バイーアの音楽は、アフリカの影響が強く、ブラジルの内陸部はパラグアイと国境を接していて、音楽にもスペインの影響があります。この二つの対照的な局面が、音楽家としてだけでなく、私という人間の形成につながっています。
このように様々な音楽をリサーチしながら、私は独学で音楽を学びましたが、その過程で大勢の音楽家の友人たちに助けを得ました。素晴らしいギタリストで作曲家のマリオ・ジル。彼にはギターをはじめ、多くを教わりました。またパーカッション奏者、ナナ・ヴァスコンセロスからも、いろんな話を聞き、パーカッションの演奏を学びました」。
スタジオライヴの生演奏は2曲。「Outro Quilombo」は、2002年のリーダーアルバムのタイトル曲で、「このアルバムが私の海外でのキャリアを開きました。私に幸運を与えてくれた曲です」とコメント。そしてもう1曲は、綺麗な日本語で歌った「故郷(ふるさと)」。2017年の最後の放送、12月31日の夜にぴったりの歌声だったのでは?
ポール・ウィンターのレーベル、Living Musicから発売されたリーダー作「SAUDADE」(2015年)