2023年01月01日

発表!2022年ブラジル・ディスク大賞

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J-WAVE [NX NIPPON EXPRESS SAÚDE! SAUDADE...] が世界の音楽情報誌「e-magazine ラティーナ」と共同主催、27回目を迎えたブラジリアン・ミュージックの年間アルバム・ベストテン「2022年ブラジル・ディスク大賞」。リスナーの皆様からの投票(総数2,933票)をもとに、2022年の結果が決定しました。

1位
バーラ・デゼージョ「シン・シン・シン」
Bala Desejo [SIM SIM SIM]
(THINK! RECORDS / THCD-610)
210票
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「ブラジル・ディスク大賞」27年の歴史を通じて初めて、新人グループのデビュー・アルバムが第1位を獲得。ルーカス・ヌネス。ゼー・イバーハ。ジュリア・メストリ。ドラ・モレレンバウム。バンドよりもコミュニティと呼ぶのが相応しい、ハイスクール時代からの友人、男女4人のオールスターズが、トロピカリアのDNAを現代にアップデート!

ルーカス・ヌネスとゼー・イバーハは、カエターノ・ヴェローゾの末子トン・ヴェローゾも参加しているバンド、ドニカのメンバー。ドニカは2015年、メンバー全員が10代の時にファースト・アルバムを発表した。

ゼー・イバーハは、ガル・コスタの『Nenhuma Dor』でデュエットのパートナーをつとめ、ドニカのアルバムにゲスト参加したミルトン・ナシメントのコンサートに出演。2022年のミルトンのステージ引退ツアーではオープニング・アクトに抜擢された。

ルーカス・ヌネスは、カエターノ・ヴェローゾの新作『Meu Coco』(2021年ブラジル・ディスク大賞2位)の共同プロデューサーと録音エンジニアをつとめ、一気に注目の存在となった。

ドラ・モレレンバウムは、ジャキス&パウラ・モレレンバウムの娘。2001年、両親と坂本龍一のアントニオ・カルロス・ジョビン作品集『Casa』のジャパン・ツアーに同行。5歳で体験した日本の印象をもとに作詞作曲した「Japão」を2021年に発表した。ドニカのファースト・アルバムにも参加。カエターノの『Meu Coco』で「GilGal」をカエターノとデュエットした。

ジュリア・メストリは、2017年に5曲入りEPを、2019年に全曲オリジナルのファースト・アルバム『Geminis』(2019年)を発表。ルーカスとゼーが共同プロデュースし演奏にも参加。ドラがコーラスに参加した曲もある。

10代からの親友で音楽活動の繋がりも深い4人が、それぞれのキャリアと並行して結成したバーラ・デゼージョへの道は、ブラジルがコロナ禍のパンデミックに覆われた2020年6月に始まった。ジュリアのリオのアパートでルームシェアを始め、歌い、演奏し、音楽を聴き、話し合う日々。共同生活を経てサンパウロのコアラ・レコードから、2021年の音楽フェスティヴァル出演のオファーが。コロナ禍でフェスは開催されなかったが、これをきっかけにレコーディングへの機運が高まり、バーラ・デゼージョが誕生した。

【投票コメント】
「若さや怒りや創造性が満ち溢れた、キラキラとした作品で、ブラジル音楽に初めて触れた時のような高揚感で心が動きます」(男性)
「ジェンダーを超えた、チームワークの良さ。ブラジルのZ世代を感じました」(女性)
「まさに、恐るべき子供たち!」(男性)

2位
ジョイス・モレーノ 「ブラジレイラス・カンサォンイス」
Joyce Moreno [Brasileiras Canções]
(BRASIL : BISCOITO FINO / BF10022)
192票

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2018年10月、放送30周年スペシャル・ライヴに出演するなど、番組へのゲスト出演最多回数を誇るジョイス・モレーノ。68年のデビュー盤の収録曲を再録音した「50」(2018年第2位)から4年ぶりの新作は全曲、オリジナルの新曲。70代半ばにして、シンガー・ソングライターの創造力に衰えはない。

【投票コメント】
「やっぱりジョイス。4年ぶりのアルバムということですが、歌声とガットギターのサウンドはブランクを感じさせない力強さです。このアルバムも一音聴いただけで、ジョイスの世界にグッと引き込まれました」(男性)

3位
ホベルタ・サー 「サンバス&ボッサス」
Roberta Sá [Sambas & Bossas]
(THINK! RECORDS / THCD-601)
185票
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2010年に来日、番組にゲスト出演してスタジオライヴで歌ってくれた、ホベルタ・サー。ジルベルト・ジル作品集「Giro」(2019年第7位)以来の新作だが最新録音ではなく、デビュー当時の2004年にサンバやボサノヴァの名曲を歌った幻の企画盤。CDは日本独自の発売。

【投票コメント】
「名曲揃いの貴重な音源が、まさかのリリース。これからもずっと聴き続けられる、アナログレコードで聴くのが最高な一枚」(男性)

4位
ヴァネッサ・モレーノ&サロマォン・ソアレス 「ヤトラター」
Vanessa Moreno & Salomão Soares [Yatra-Tá]
(TAIYO RECORD / TAIYO 0041)
153票
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サンパウロのノヴォス・コンポジトーレスの一翼を担うヴァネッサ・モレーノが、2年連続で4位。ギター弾き語りソロの前作に続いて、本作はピアニスト、サロマォン・ソアレスとのデュオ・アルバム。タイトル曲はタニア・マリアの名曲。

【投票コメント】
「タニア・マリアのパワフルなお声とお顔が浮かんでくる曲<ヤトラッタ>の、カヴァーを超えたスーパープレイでした」(女性)

5位
アレクシア・ボンテンポ 「甘いカルナヴァル」
Alexia Bomtempo [Doce Carnaval]
(CORE PORT / RPOP-10037)
144票
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これまでに2回、番組にゲスト出演。リオを経て現在はニューヨーク在住のアレクシア・ボンテンポが、サンバからフレヴォまでカルナヴァルの名曲をスロウ&スイートなアレンジで歌った意欲作。アレクシアは、単独リーダー作としてはデビュー作(2008年第8位)以来のランクイン。

【投票コメント】
「アッパーなカーニヴァル・チューンが、官能的な曲に大変身!しかもボンちゃんとサーちゃん、美女2人のデュエットなんて反則だ!(笑)」(男性)

6位
ムーンズ 「ベスト・ケプト・シークレット」
Moons [Best Kept Secret]
(THINK! RECORDS / THCD-609)
125票
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シンガー・ソングライターのアンドレ・トラヴァッソスを中心に、来日して番組にゲスト出演しスタジオライヴで歌ってくれたジェニフェル・ソウザも参加。英語で歌うミナスのポップロック・バンド、ムーンズが前作「Dreaming Free Awake」(2020年第6位)に続いて2作連続のランクイン。プロデューサーはレオナルド・マルケス。

【投票コメント】
「今年はセッサ、レオナルド・マルケスなどロック勢の新作が素晴らしい年だったように感じます。中でもブラジルの、はかなさと高揚感が入り混じった、ムーンズの<ベスト・ケプト・シークレット>が個人的にとても好みでした」(男性)

7位
ジャヴァン「D」
Djavan [D]
(BRASIL : SONY / 配信) 
107票

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1988年11月、番組史上初のゲストにお迎えしたアーティストが、大御所ジャヴァン、4年ぶりの新作が「Vidas Pra Contar」(2016年4位)以来、6年ぶりにランクイン。

【投票コメント】
「ジャヴァンの作品は、メロディー、リズム、コード進行が、ブラジルの今と昔の音楽のエッセンスを全て吸い取るような内容で、毎回の作品が素晴らしい。今回も、そうでした」(男性)

8位
レオナルド・マルケス「フリーマーケット・ミュージック」
Leonardo Marques [Frea Market Music]
(THINK! RECORDS / THCD-596)
103票
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ヴィンテージ機材を揃えた自身のスタジオから独自のノスタルジックなサウンドを紡ぐミナスのシンガー・ソングライター/プロデューサー/マルチ・プレイヤー、レオナルド・マルケス。来日して番組にゲスト出演、スタジオライヴで歌ってくれたことも。前作「アーリーバード」(2019年4位)に続きランクイン。

【投票コメント】
「昼下がりに、うつらうつら。まどろみの時間を体験できました」(女性)

9位
ジルベルト・ジル「エン・カーザ・コン・オス・ジル」
Gilberto Gil [Em Casa Com Os Gil]
(BRASIL : GEGE / 配信)
94票

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2022年に80歳を迎えたジルベルト・ジルが子供や孫、約20人のファミリーと一緒に繰り広げたパーティー・スタイルの映像プログラムのサウンドトラック。ジルのランクインは「ジルベルトス・サンバ」(2014年第3位)以来8年ぶり。

【投票コメント】

「見た目は おじいちゃんになりましたが、大勢の家族に囲まれて幸せそうな笑顔が見えてきます」(女性)

10位
セッサ「エストレーラ・アセーザ」 
Sessa [Estrela Acesa]
(USA : MEXICAN SUMMER / MEX313CD)
91票

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サンパウロのバンド、ガロータス・スエカス出身の新世代シンガー・ソングライター、セッサのサイケ・フォークな味もあるセカンド・リーダー作。

【投票コメント】
「脱力感が、キモチイイ。控えめな音楽の奥に、才能を感じます」(男性)

【e-magazine LATINA主催・音楽関係者部門】

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1位 レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ
    「モアシール・ヂ・トドス・オス・サントス」
     Letieres Leite & Orkestra Rumpilezz
     / Moacir de Todos os Santos
(69点)MORE INFO
2位 バーラ・デゼージョ「シン・シン・シン」(68点)
   Bala Desejo / SIm SIm Sim
3位 Bruno Berle / No Reino Dos Afetos (36点)
4位 Mônica Salmaso e Dori Caymmi / Canto Sedutor (34点)
5位 Xenia França / Em Nome da Estrela (30点)

関係者投票のベストテンなど詳細はe-magazine LATINA



STAFF| 17:45 | カテゴリー:ブラジル・ディスク大賞


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