株式会社リンレイ

J-WAVE 30th ANNIVERSARY SPECIAL

RINREI NATIVE MUSIC JOURNEY

株式会社リンレイ

2018.4.30 mon. 18:00-20:55

vol.1台湾 台東・花蓮県

クリス智子

ナビゲーター
クリス智子

元 ちとせ

旅人
元 ちとせ

奄美大島のアーティスト元ちとせが、台湾東部に住むブヌン族とアミ族を訪れます。

伝統的な楽器を作り続ける職人、母語教育をしながら部族のアイデンティティを守る小学校、ブヌン族親子のスピリチュアルなハーモニー、伝統的な祭りや儀礼を歌で継承するアミ族の人たちなどに出会います。

旅の行程:台北〜空路〜台東〜陸路(山岳ルート)〜富里(ブヌン族)〜陸路〜大港口(アミ族)〜陸路(海岸線ルート)〜台東〜空路〜台北

1日目「台東」

朝に羽田空港を出発! 台北松山空港から国内線で台東空港に到着。

カックンと呼ばれる竹を使っていろんな伝統楽器を作るサウトゥエ・サイダイさんから笛を習いました。

次から次へといろんな楽器が出てきました。

サウトゥエさんは舞台芸術チーム「Amis旮亙樂團(アミスカックン楽団)」のリーダーでもあり、この日は、メンバーのみんなも集まってくれました。伝統楽器を継承する若者たちと一緒に演奏体験。

楽団の演奏に飛入りしてくれたのは、国立台東生活美学館の李さん。台湾東部に集中して住んでいる原住民たちの多様な音楽・芸術を、展示やイベント、海外との文化交流などさまざまな形で広めている博物館の館長なのです。毎年7月には、台東・花蓮と沖縄の黒潮文化圏の音楽交流をテーマにした 「島嶼音楽祭」が開催されます。

国立台東生活美学館
島嶼音楽祭

すてきな夫婦風ツーショットが撮れてしまいました。

初日の台東で宿泊したのは、MATA家屋台東縣原住民文化會館という原住民をモチーフにしたホテル。ロビーのインテリア、部屋のデザイン、食事も洗練された原住民スタイルで素敵でした。

MATA家屋台東縣原住民文化會館

ホテルの入り口ロビーには、大きな船がドーンと置かれていました。

2日目「富里(ブヌン族)」

台東から北上し、布農(ブヌン)族の住むエリアに到着。

犬たちも自由に道路を横断します。

布農族の聖地となる滝「南安瀑布」。歌を通じて母語継承の活動を行う、SAVI(サヴィ)さんとここで待ちあわせ。

長女のSAMINGAS(サミンガ)さんと次女のIBU(イプ)さんと3人で、滝の前で布農族に伝わる歌を披露してくれました。そのコーラスは、ぜひ動画で。

この日のランチ。布農族の家庭料理の数々。芋の葉、タケノコ、粟入りのご飯に、鹿のスープなど。

布農族の小学校も訪れました。年長組は民族衣装で迎えてくれました。

布農族の子供たちとの交流。子供達は異文化に触れ合う機会がないと伺ったので、奄美大島の民謡を聴いてもらいました。

次は、小学生たちが布農族のコーラスを披露してくれました。

学校周辺の布農族の集落を散策してみました。

この日のディナーは、農家食堂へ。

すごい名前の豆腐もいただきました。火山灰の入った泥水を1日置いて、その上澄みをにがりの代わりに使うそうです。

SAVIファミリーも合流しての楽しい晩餐でした。

3日目「大港口(アミ族)」

山の布農族の集落から今度は、海のアミ族の集落へ。

大港口という集落にやってきました。

集会場にて現地在住アミ族のアーティストANUさんに、いろいろとお話をうかがいました。

海祭りの聖地にも案内してもらい、特別に海に捧げる歌の披露してくれました。

この大港口部落は、台湾の大ヒット映画「太陽的孩子(太陽の子)」の舞台となった場所。リゾート開発を、伝統的な稲作栽培を復活させて阻止したという実話の通り、海岸一帯が水田になっていました。

太陽的孩子 Wawa No Cidal

そしてついにアミ族アーティスト、以莉・高麗(イーリー・カオルー)さんと対面。イーリーさんは、もともと別の部落に住んでいたそうですが、大港口の幼稚園がアミ族の母語教育を行っていることで、家族でこの部落に移り住みました。現在は、子育てをしながら、音楽と農業を両立させながら生活しています。

海が眺められる素敵なカフェでインタビューをして、ライブも披露してくれました。

海祭りの聖地にも案内してもらい、特別に海に捧げる歌の披露してくれました。

なんと、布農族のSAVIファミリーも、山を越えて私たちの取材を見学にきてくれました。そして、美しいコーラスを聞かせてくれました。

最後に訪れたのが、映画「太陽的孩子(太陽の子)」のモデルになった舒米さん。この場所に伝統的な稲作文化を復活させた舒米さんは、活動家でもあり工芸アーティストでもある、とても素敵な方でした。

Native Music Note

〜台湾原住民のNative Musicをさらに深く知るアルバムたち〜

軽快的生活 / 以莉・高露(イーリー・カオルー)[2011]
番組でアコースティックライブを披露してくれたアミ族のシンガーソングライター以莉・高露のデビューアルバム。シンプルで優しくて力強い彼女の歌声に包み込まれます。
混濁了cepo’ / ANU [2013]
番組で海祭りの歌を披露してくれたアミ族のシンガーANUのアルバム。海や大地、先祖への感謝があふれた作品です。
太陽的孩子 / オリジナルサウンドトラック [2015]
番組でイーリー・カオルーやANUと出会った花蓮県の大港口集落を舞台にした映画「太陽的孩子(邦題:太陽の子)」のオリジナルサウンドトラック。アミ族のシンガー舒米恩(Suming/スミン)の主題歌は台湾版のアカデミー賞で最優秀オリジナル映画主題歌賞を受賞しました。
放羊的孩子 /圖騰樂團(トーテム) [2009]
舒米恩(Suming/スミン)がボーカルを担当する原住民バンドの2009年のセカンドアルバム。ブリットポップを感じさせるセンスがあふれた作品です。
匆匆 Kimbo in a Flash / 胡徳(キンボ) [2007]
“台湾原住民民謡の父”、“台湾のボブ・ディラン”と呼ばれるベテランシンガーソングライター 胡徳夫(キンボ)の1stアルバム。圧倒的な存在感に魂が揺れます。
生命之環Circle Life / 郭英男 [1998]
78歳にしてリリースされたアミ族の長老、郭英男の初アルバム。ディープ・フォレストによるプロデュース。1994年にJ-WAVE TOKIO HOT 100でナンバーワンになったENIGMA「Return To Innocenceのオリジナル「老人飲酒歌」も収録。
海洋 / 陳建年 [2000]
卑南族(プユマ族)出身のシンガーソングライター陳建年の1stアルバム。警察官をやりながら、リリースしたこの作品で台湾のグラミー賞「金曲賞」で最優秀男性歌手賞を受賞。その後も警察官と音楽活動を両立し続け、昨年警察官を引退。高くて艶のある声に、海の大らかさを感じます。
MATZKA / MATZKA樂團 [2012]
排湾族(パイワン族)のボーカリストMATZKA率いるレゲエロックバンド MATZKA樂團のデビューアルバム。原住民サウンドmeetsレゲエ、ロック、R&Bを打ち出した歴史的な作品。
avayan 女人 / 阿爆 [2016]
注目のパイワン族アーティストの最新アルバム。美しいアレンジのなかに響くパイワン語の世界に引き込まれます。昨年は、台湾のグラミー賞といわれる金曲賞でベスト原住民語アルバム賞を受賞し、英グラストンベリーフェスティバルにも出演。
Mudanin Kata / David Darling & The Wulu Bunun [2002]
ブヌン族の美しいハーモニーに魅せられたアメリカのチェロ奏者David Darlingのフィールドレコーディング・アルバム。東洋の伝統的ハーモニーと西洋音楽との出会いが生んだ奇跡のようなアルバム。その美しさは言葉では表しきれないです。
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