TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES
ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分


3月30日の放送では
角野隼斗にとって挑戦だった久石譲さんと共演した
メシアン:トゥーランガリラ交響曲を語りました。
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数日前にニューヨークに帰ってきたんですが、先週は日本におりまして、
新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会で、
指揮の久石譲さんとメシアンのトゥーランガリラ交響曲を演奏するというコンサートがありました。
このメシアンのトゥーランガリラ交響曲という曲は非常に大きい曲で、オーケストラの大きな編成の曲で、特徴としてはオンド・マルトノという普段はよく使われない楽器が含まれているとこなんですが、オンド・マルトノ奏者の原田節さんと一緒に演奏したんですけれどもね。
この曲はとても複雑、そしてスケールの大きい曲なので、この曲を演奏するということは1つの挑戦でもあったんですけれども、とても楽しくてね。
リハーサルから本番まで、エキサイティングな時間でございました。
久石さんとステージ上で一緒に演奏するというのは初めてでしたね。
今回はそれがジブリではなく、このメシアンであるというところが面白いなと思うんですけれども、彼にとっても初めての時だったみたいなので。
リハーサルの前から、久石さんのお宅に伺って念入りに打ち合わせをしていたんですが、久石さんは指揮者である前に作曲家の方なんで、作曲家としての視点をお持ちと言いますか、それがとても面白くて、その打ち合わせの時に、ここいいよねみたいな話で盛り上がるんですね。
なので、結局長居してしまって、それはそれでとても楽しかったんですけど。
そんな感じで、メシアンのトゥーランガリラ交響曲を久石さんと演奏できたのはとてもいい経験だったなと思います。
トゥーランガリラというのは、トゥランガリーラという発音するのが正しいのかもしれませんが、トゥーランがサンスクリットで時間、そしてリラが愛を意味すると言われておりまして、ですので、トゥーランガリラというのは愛の歌なんですね。
そして、愛と時間を扱っているみたいな。
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3月は僕、個人的なニュースがたくさんあったんですけど、THE FIRST TAKEに出演させていただきました。
FIRST TAKEでラベルのボレロと、そして昔からYouTubeで弾いていたキラキラ星の7つのレベルの変奏曲、この2曲を演奏したんですけれどもね。
FIRST TAKEは数年前にmiletさんと一緒に出させてもらったことがあって、
それも非常に楽しかったんですが、今回はソロピアノソロということで、なかなかピアノソロでファーストテイクに出させてもらうことになるとは、僕も想像してなかったんですけれどもね。ありがたいですね。
それでピアノソロをやらせてもらえて。
何をやろうかなと色々やる前は考えていたんですけど、やっぱりFIRST TAKEは
僕がYouTubeを始めた頃に、2020年頃にめちゃくちゃ見てたし、
自分のyoutubeが影響を受けた部分はかなりあるなとも思ってるので、
1つは思いっきり僕の勝手にチャンネルの要素と言いますか、YouTubeに寄ったようなことをやろうと思って。
きらきら星変奏曲をね、トイピアノから始めて、その後グランドピアノに行くっていうのをやったりしましてね。
もう1つは、最近よく弾いてますラベルのポレロですね。
これはもともとオーケストラの作品ですけれども、それをグランドピアノとアップライトピアノで編曲して、アップライトピアノは自分のアップライトピアノを持ち込んで、弦にマジックテープを挟んだりしてね、スネアの音を出したりしてたんですが、よく聞かれるんですけど、あれ、ほんとにFIRST TAKEなんですね。
1回だけの収録で、そうじゃなかったとしても公共の場で言うことはできないんですけど、これは本当で、ほんとにファーストテイクなんで、独特の緊張感がありましてね。
コンサートともまた違うし、レコーディングともまた違うんですよね。
これが不思議なんですけど、白いスタジオの空間に、準備の時はたくさんスタッフの方が準備されてるんですけど、
ある時急にさっと消えて1人になるんですね。
それではお願いしますみたいな感じで始まるんですが、かなりその緊張感の中でも、どちらかというと即興感を楽しむような演奏ができたんじゃないかなと思っております。
まだ見てない方はぜひYouTubeで見てください。
あとは僕のアルバム「Human Universe」が日本ゴールドディスク大賞2025 クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞しまして、ありがたい限りです。
これクラシカルの方がいいんじゃないかと勝手に思ってるんですけど。
というのも、クラシックというと名版とか伝説のアルバムみたいな意味にも捉えられますからね。
それはさておき、受賞させていただきましてほんとに光栄でございます。
ジャズアルバム・オブ・ザ・イヤーは、矢野顕子さんと上原ひろみさんのアルバムStep Into Paradise -LIVE IN TOKYO-が受賞しまして、それも大変めでたいんですが、矢野顕子さんがXで反応されてまして、
「孫、祖母と3代に渡って賞をいただいたわけです。
ありがとうございました。」みたいなね。
ニューヨークに住んでて、矢野さんも住まれてよくお世話になってるので、たまに僕のこと孫と呼んでくださるんですけど、それをたまに本気にされる方がいらっしゃいまして。
誤解のないように申し上げると、孫でもないし、血が繋がってるわけでもないんですけど、そんな矢野さん、上原さんと並んで、並んでというのでいいのかわかんないですけど、並んで受賞できたのは僕としても嬉しいことですね。
ありがとうございます。
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11月29日Kアリーナ横浜で角野隼斗ピアノリサイタル“Klassik Arena”が開催決定しております。
武道館を超える自身最大規模となるピアノリサイタルということで、是非チェックしてみてください。
Kアリーナ横浜といえば、4月5日にKアリーナ横浜で開催される『CENTRAL STAGE』に出演します。
キタニタツヤさん、結束バンドさん、そして僕のというラインナップでして、僕は最初に演奏するんですが、キタニさんとのコラボも決定しております。
とっても楽しみです。
そして、Penthouseからも浪岡さんと大島さんが来てくれます。
ということで、どんなステージになるんでしょうか。
楽しみです。
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MUSIC SELECT
Turangalîla Symphonie: 5. Joie De Sang Des Étoiles /
ヴォンヌ・ロリオ, チョン・ミョンフン, パリ国立歌劇場管弦楽団 & ジャンヌ・ロリオ
L.B. Files:Concerto / アベル・セラオコー & マンチェスター・コレクティヴ