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20230707 ONAIR

7月は平岩紙さんとお送りします。

7月の主演
平岩紙 長澤樹

ショートストーリー
『サイコさん』


「やめてください、サイコな冗談って、こわかったです怖すぎです」

「冗談じゃなかったりして」

ちょーーーっとだけ、怖かったらすみません。

全盲の人

映画『PERFECT DAYS』の試写会に立ち合う日々を過ごしている高崎さん。

高崎「このあいだ全盲のひとが映画の試写会にきてくれたんです。」

というのも、その前日にご案内した方から
「明日、兄を連れていきます。兄は実は目が見えません。全盲です。」
というメッセージが届いたそうです。

高崎「えっと思って。」

これまでそんなことを考えてなかったという高崎さん。
目が見えない人は、いったいどうやって映画をみるのだろうか…それは想像もつかないことでした。
普段、目が見えない人は風景のなか、音で状況を理解するのでしょう。
しかし映画の音は、制作者側の都合で作られているもの。
見せたいものとか意味を感じてほしいものを当てていたり、逆に聞かせたくないものは省略したり。

高崎「普段の生活のなかで聞こえてくる音と映像に当たっている音はぜんぜんちがうんです。」

だから音だけで映像をそのままイメージするのは結構むずかしいだろうな、と考えた高崎さん。
しかも『PERFECT DAYS』は、主人公である役所広司さんは結構無口で、セリフがとても少ない。
そこで急いであらすじや、導入で何が起きているかをメモにして送ったそうです。

高崎「試写にいらっやる前に前提として
これを知っておいていただいたらいくらか理解の助けになるかなと思ったんです。
試写にいらっしゃって席にご案内して、どうなんだろう。ずっとどきどきしていました。
全盲の方が映画をみる。って考えたことがなかった自分の視野の小ささとかもなんか恥ずかしくなったりして。」

試写がおわったあと、その方とお話をした高崎さん。
そのときなんとなく「映画ご覧になっていかがでしたか?」ではなく「いかがでしたか?」と、「観る」という単語を避けてしまったそうですが、
そのかたは「いやあ、いいものを観せてもらった!」と話したそうです。

高崎「びっくりしました。観るって普通に使うから。
そのあとしばらくお話してたんですが、ふだんからよく映画館に行くっておっしゃってて。
どう言うふうに理解するのか知りたくなって。」

するとその方は、「ぜんぜんわかるよ」と答えたそうです。
視覚以外のすべての感覚を総動員して、触って、噛んで、匂い嗅いで、
そういう情報を重ねながらそれがどういうものか、どういう世界にあるかを、予測する。
そして新しい情報があったらその都度、その予測を更新する。
それはとても疲れるけれど、その分セリフには過敏になる。
役所さんのセリフは数は少ないけれど、すごく魂を感じた、というその方の言葉にすごく喜びを感じた高崎さんでした。

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