FUTURISM

ON AIR DATE
2019.04.07

ゲストは、株式会社ライゾマティクス 代表取締役の齋藤 精一さん!

毎年3月にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで行なわれる
「サウス・バイ・サウスウエスト」で今年、アロー賞を受賞!
株式会社ライゾマティクス 代表取締役の齋藤 精一さんをゲストにお迎えします。



FUTURISM813 (@futurism813) インスタグラムは こちら

SONG LIST

  • Hello, Dolly!
    ルイ・アームストロング
  • Are You OK?
    Wasuremono
  • Steady Me
    Mini Trees
  • Loveless
    Lo Moon
「TOPPAN FUTURISM」は今週の放送から3年目に突入します。
フレッシュな気持ちで、さらなる未来を創る鍵を一緒に探しに行きましょう!

新年度一発目は、
「The Time Machineが導く未来の街づくり」というテーマでお届けします。

毎年3月にテキサス州オースティンで行われる、
音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた世界注目のイベント
「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」。

今年のSXSWでクリエイティブエクスペリエンス「アロー賞」を受賞したのが、
ライゾマティクス代表の齋藤精一さんが携わった「The Time Machine」。

「The Time Machine」が指し示す、
新しいバーチャルリアリティ体験の可能性、未来の街づくりとは!?

「The Time Machine」は、オリンピックが東京で開催された
1964年にユーザーを連れ戻す新しいバーチャルリアリティ体験。
当時収集された古い写真を使用することによって、
渋谷地区と他の有名な東京の環境を再現しています。

「フォトグラメトリという技術があるんですけれど、
昔の写真を集めたら、昔の街が立体で蘇るんじゃないか」。

「The Time Machine」はそんな思いつきから生まれました。

「タイムマシンを全世界でつくろう!」。

このプロジェクトは、SXSWでたくさんのオーディエンスを魅了しました。

渋谷だけではなく、世界中の街を古い写真から立体化することで、
VRで過去にさかのぼる体験はまさに世界を駆け巡るタイムマシン。

VRならではの没入感は、写真では体験できない不思議な世界。
昔の街を歩けたり、1964年の渋谷のハチ公に触れてみたり。
ちなみに、当時のハチ公はいまとは違う方向を向いていたようで。

タイムマシンで過去に戻り、いまからではなく過去からだからこそ
考えられる未来というものもあるな、と僕は思います。

「未来という言葉があんまり好きじゃなくなってきていて。未来って、
 目を開けた瞬間にテカテカの車が浮いているみたいな世界をSFチックに想像すると思うんですけど、
 これからのあるべき未来というか、明日の連続的な未来と考えると、
 人間が本当にどういうものを求めているか、作法が変わるものと変わらないものが
 何であるかをちゃんと考えなければいけないと。いまの東京の街づくりで感じるのは、
 ビルを建てすぎじゃないかなと。東京の容積率が1.5倍くらいになるのではないか
 と言われていていますが、建物がどんどん増えていて。本当にそんなにいるのかなと」。

人間目線で街を作っていくこと。
本当に必要なものがそこに機能としてあるのか。
いまの問題をどう解決するのか。

未来の街づくりに欠かせない視点。

「できるだけ現実を見ようと。見えない未来ではなくて、明日本当に必要なもの、
 明日楽しめるものを作って行こうと。未来の街づくりという意味では、
 現実を見た街づくりをしたいと。一言でいうと、“現実>未来”ですね」。

現実が蓄積して文化となり、未来となる。
未来はいまの積み重ねであり、明日を見つめるところから未来との距離を縮める。

齋藤さんのそんな未来志向は、「ちょっと先の未来を考える」
この番組のコンセプトそのものでもあります。

小川 和也