Nov. 04 2016
母と子の関係を描いた映画 「ジュリエッタ」
今週のテーマは・・・「母と子の関係を描いた映画」です。
●川崎のメイちゃんからは「もうひとりの息子」
「『出生時の取り違えでイスラエルとパレスチナに暮らしていた2人が、事実が判明し本当の家族の元へ行き来するようになる話。それぞれの母親は2人を同じ様に受け入れる。母親の大きな愛情が感じられる映画』というコメントです。子供を取り違えるんですね、それぞれの子供たちは、イスラエル人なのにパレスチナ人だと思って育つ、パレスチナ人なのにイスラエル人だと思って育つ。それが判明した時の子供たちの混乱はすごい。お互いにいい感情は抱いていないわけですから。そこをまるく包んでくれるのは双方の母親なんです。これは厳しい映画ですがぜひ見て頂きたい作品です。」(部長)
●ふでばこさんからは「母なる証明」
「『韓国映画。どんな子でも、何があっても、何とかしたいんですよね母は。』というコメントです。これは本当につらい。知的障害のある息子が殺人容疑で逮捕される。母親はそんなことがあるわけがない、無実をはらそうと必死で動き回る。ところが・・・という話です。」(部長)
●チェルシーさん、イーハトーブのフジロッカーさん、美味しい生活さん、フクタロウさん他からは、「八日目の蝉」
●ジェイさん、えこさん、タケ丸さん他からは、「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」
●ちゅうきちくん、ボコのパパさん、はじパパさん他からは、最近の映画「ルーム」
その他、今週もたくさんのご参加ありがとうございました!
そして、今回部長が選んだ映画は、11月2日(水)に試写会を行った映画「ジュリエッタ」です!!
「このタイトル『ジュリエッタ』は、本当は『フリエッタ』が正しいんです。スペイン映画、ペドロ・アルモドバル監督の作品なので、主人公の名前は『フリエッタ』です。ペドロ・アルモドバル監督の作品、みなさんは好きですかね?「オール・アバウト・マイ・マザー」、「ボルベール 帰郷」などを手がけていますが、最近では「人生スイッチ」の製作をやっていましたね。アルモドバルの作品は、『この映画を見る』というよりも、僕の場合ですが『アルモドバルを見る』という感じなんです、毎回。アルモドバルの作品には、母親、女性が非常に重要な役割を果たすことが多い。女性に対するリスペクトが非常に強いと思います。
舞台は、スペインのマドリッド。一人暮らしをしている50歳を過ぎたフリエッタは非常に美しい方です。恋人とポルトガルに行くことにしていたのですが、それを取りやめにしてしまう。とにかくなんだかわからないけど、この10数年間苦悩している。そんな時に街で娘の親友とばったり会い、『あなたの娘にこの前会った、どうしてたの?』と。『ちょっと・・・』と口を濁す、というところからはじまって、なぜ彼女が12年間も苦しまなければならなければいけないのかという所が語られています。
母と娘の関係って、うまくいっている所は友達みたいな関係です。というところもいますが、意外に葛藤の方が多いという、母と娘の関係をお持ちになっている方も多いのではないかと思います。そういうところがこの作品にギュッとつまっています。
スペインのベテラン女優、エマ・スアレス(52歳)が現在のフリエッタを演じ、アドリアーナ・ウガルテ(31歳)が過去を演じています。」(部長)
映画「ジュリエッタ」は、11月5日(土)から公開です。
そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、「湯を沸かすほどの熱い愛」を選びました。宮沢りえさん主演、すでに公開になっている映画。みなさんがご覧になった後、どう感じたかを書き込んでください。
では、来週のテーマを発表!
「あぁーと、やるせない気分になってしまう映画」です。
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!
そして、最後になりましたが、11月2日(水)にスペースFS汐留で行った映画「ジュリエッタ」の試写会に来て下さったみなさん、ありがとうございました!
ジュリエッタ (原題:Julieta)
スペインのマドリードでひとり暮らしているジュリエッタは美しく洗練された女性。ただ、恋人にも打ち明けられない苦悩を秘めていた。ある日、偶然再会した知人から「あなたの娘を見かけた」と告げられ衝撃を受ける。ひとり娘は12年前に理由も語らずにジュリエッタの前から突然姿を消したからだ。ひとり娘を抱きしめたいという思いに駆られたジュリエッタは、封印していた過去と向き合い日記を書き始める。
スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督が、カナダのノーベル賞作家アリス・マンローの小説を原作に、母と娘の関係を描いた最新作。
公開日:2016年11月5日(土)
公開場所:新宿ピカデリーほか全国でロードショー
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:エマ・スアレス、アドリアーナ・ウガルテ、ダニエル・グラオ、インマ・クエスタ
原作:アリス・マンロー『ジュリエット(Runaway)』(新潮クレスト・ブックス)
公式サイト:http://julieta.jp/
©El Deseo
大倉眞一郎 おおくらしんいちろう
1957年熊本生まれ。
80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。