J-me CINEMA CIRCLEの部員のみなさんと一緒に創るシネマプログラム

CINEMA CIRCLE

Jan. 13 2017

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映画も原作も素晴らしい作品  「沈黙ーサイレンスー」

お正月に1日7コお餅を食べていたんです。で、ちょっとトレーニングをと思って。前からプランクやってるって言っていたの、みなさん覚えていますか?あれですっかり左肩痛めまして、五十肩のようになってしまったので腕立て伏せに変えたんですが、五十肩が治らない。LiLiCoさんみたいにちゃんとじっくり鍛えあげていくという方法をとらないとまずいですね。

では、今日のテーマを発表しましょう!
テーマは・・・「映画も原作も素晴らしい作品」です。このテーマは2回目なのでどうかな、と思っていたのですが、新しい方の書き込みも随分ありました。おもしろかったです、すごく!

●レインさんからは「復讐するは我にあり」
「『佐木隆三さんの作品。緒形拳がハンパないです。』ということですが、その通り!」(部長)

●あかいりんごさんからは「火宅の人」
「『壇一雄の自伝的小説を深作欣二監督が映画化。家庭を捨て、新劇女優と不倫したり、もがきながらも自由奔放に生きた放浪の作家・壇一雄を緒方拳が演じています。娘の壇ふみも母親役を演じています。そんな作家の父を娘はどの様に見つめていたのだろうか。』本も映画もどっちともすごく良かった。」(部長)

●ダゲビサさんからは「鬼畜」
「『松本清張の短編小説が原作の作品。苦しく悲しい作品で緒方拳演技に吸い込まれてしまいます。』その通りです。緒方拳さんはやっぱりすごい役者だった。出ている作品がどれも素晴らしいんです。」(部長)

●なな55さんからは「泥の河」
「『宮本輝原作。小栗康平監督により映画化。昭和31年。河のそばの食堂に住む少年と、対岸に繋がれたと廓舟の姉弟の出会いと別れをモノクロで描いてます。姉弟の母役、加賀まりこが色ぽいのと、その場面をみてしまった子供の気まずさ。。』とありますが、そういう場面だけじゃない。モノクロであえて古さを感じさせるように作っているのですが、このモノクロの深みがすごく出ているいい映画でした。」(部長)

●「八日目の蝉」には、ふたござうるすさん、てつ@さん、ジェイさん他多数から!
●「風の谷のナウシカ」には、hotmanさん、Vingaさん、edo_woooodさん他多数から!
●「レ・ミゼラブル」には、めりーさんの羊さん、じゅんさん他多数から!

たくさんのご参加ありがとうございました!!

そして、今回部長が選んだ「映画も原作も素晴らしい作品」は「沈黙ーサイレンスー」です!!

「原作は、遠藤周作。1966年に刊行された作品です。監督は、マーティン・スコセッシ。出演陣のことをまず言うというのは私の紹介の仕方としては異例なのですが、まずはアンドリュー・ガーフィールド。『アメイジング・スパイダーマン』などに出演していて、軽そうな男がすごくいい演技をしています。それからリーアム・ニーソン。最近この人はアクションスターになっちゃったのかと思っていたのですが、これもいいところで出てきます。その他、浅野忠信、窪塚洋介、塚本晋也など、日本人俳優も多数出演しています。塚本晋也監督はマーティン・スコセッシがファンなんだそうですが、演技がすごくうまい。また、窪塚洋介って大丈夫かなって思っていたのですが、見直した。こんなにすごかったのこの人は!と驚きました。この映画、2時間42分あります。でも時間をまったく感じさせない、もう終わっちゃったのっていう感じであっという間。画面に釘付けです。
 内容は事実を元に書かれたフィクションです。舞台は、江戸初期。キリシタンの弾圧が行われていた長崎辺り。若きポルトガル人宣教師の2人は、日本で棄教したとされる前任者がいると聞き、『そんなわけない!確かめる』と言って日本に来るのですが、そこで捕まってしまう。で・・・・
 大変な内容ですが明かしてもしかたないので、遠藤周作の話をします。遠藤周作は、キリスト者ということで自認をして色んなことを著書にも書いている。同時に、日本におけるキリスト者とはいったいなんなのかということも、すごく深く悩んでいたんです。日本は自由に受け入れる宗教的な母体がある。そこにきて、キリスト教というものを信じることができるのかという悩みをずっとかかえていた。その思いをこの『沈黙』という作品に全部ぶちこんだ。そんな印象があります。映画を観ていると、宣教師たちのやっていることは、信念があるのはわかるけど本当に正しいのか、と思ったりもします。いろんな見方があると思うので、いろんな人がいろんな見方をしてくれたらいいなと思います。十分に味わって頂きたい作品です。」(部長)

映画「沈黙ーサイレンスー」は、1月21日(土)から公開です。

そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、明日から公開の映画、「ブラインド・マッサージ」について書いています。中国映画です、考えますよこの映画も。ぜひチェックして下さい。

では、来週のテーマを発表! テーマは・・・
「フランスが舞台の映画」です。フランスが舞台であれば、どの国の映画でもかまいません。
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!

沈黙ーサイレンスー

舞台は江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、若き宣教師の2人は日本に渡る。旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に長崎へとたどり着く。厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていくのだが・・・
遠藤周作の小説「沈黙」を、マーティン・スコセッシが映画化。スコセッシが1988年に原作を読んで以来、28年をかけて映画化にこぎつけた作品。出演は、「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールド、「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のアダム・ドライバー。そして、浅野忠信、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮などの日本人キャストも出演している。

公開日:2017年1月21日(土)
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://chinmoku.jp/
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大倉眞一郎 おおくらしんいちろう

1957年熊本生まれ。
80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。