J-me CINEMA CIRCLEの部員のみなさんと一緒に創るシネマプログラム

CINEMA CIRCLE

Apr. 07 2017

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このドキュメンタリーはすごかった!  「作家、本当のJ.T.リロイ」

今日のテーマは・・・「このドキュメンタリーはすごかった!」です!

●アシベさんから頂いたのは「ちいさな哲学者たち」
「『フランスのとある幼稚園で行われた、子どもたちに哲学の授業を受けさせる試み 愛って?死ぬってどういうこと?…いろんな命題に、子どもなりの言葉で自由に考え成長し変化する様子を追うドキュメンタリー。こうした試みをしようと思い立つところが、いかにもフランスと言えるかもしれませんが、横並び一列、皆同じ考えが良しとされるどっかの国の幼稚園とは大違い?!2007年の作品。10年経ってこの子たちが、この子たちの考える力がどんな風に成長しているのか、みてみたいですね。』という事です。ありがとうございます。これ、面白いというか、自分で考えるという事がいかに楽しいかがよくわかる映画です。フランスは抽象的な思考用語が世界一多いと言われている。それくらい哲学の国なんです。」(部長)

●ももさにーさんから頂いたのは「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」
「『次の海外旅行は何が何でもバルセロナ!と決心しました。』という事です。あー、絶対に行った方がいい。30年前と3年前、私2回行っているんです。すさまじい早さで完成が早まってきています。完成型を見るのも楽しみなのですが、その過程を何回も見ておく事がとても大事な教会ですね。ぜひ行って下さい。」(部長)

●けいはちさんから頂きました「アクト・オブ・キリング」
「『1960年代インドネシアで行われた大量虐殺を加害者側の視点から描いたドキュメンタリー。これが現実であることが、本当やりきれなくなります。』との事です。この映画は本当に打ちのめさせる映画ですから、気をつけてご覧下さいね。」(部長)

●「100,000年後の安全」には、なまはげさん、Vingaさん、月のうさぎさん他多数から!
●「世界の果ての通学路」には、子連れサラリーマンさん、はじパパさん、なんさわさん他多数から!

今週も、たくさんのご参加ありがとうございました!!

そして、今回部長が選んだ「このドキュメンタリーはすごかった!」映画は「作家、本当のJ.T.リロイ」です!!

「ご存知でしたでしょうか、J.T.リロイ?恥ずかしながら私は知らなかったんです。実はJ.T.リロイは、1996年にアメリカの文壇に急に現れる。最初は雑誌への投稿が主だったのですが、処女作である『サラ、神に背いた少年』発表する。当時は、J.T.リロイ18歳だったんです。このJ.T.リロイの生い立ちがすごい。1980年にヴァージニア州で生まれ、5歳の時に誘拐され虐待を受けて育って、11歳で女装の男娼として売春をはじめるんです。で、14歳でドラッグを使用しはじめ、16歳の時には精神を病んで入院します。そういう履歴。その少年が書いた『サラ、神に背いた少年』は、このJ.T.リロイの告白本として出版された。小説の中身自体は賛否両論。ただ、セレブたちが一斉にこの小説に飛びついた。カルバン・クライン、トム・ウェイツ、コートニー・ラブなど、全員で持ち上げたあげく、ガス・ヴァン・サントが一緒に映画の脚本やらないって依頼する。実際に一部採用される。そんな事があって、その後に書いた『サラ、いつわりの祈り』もベストセラーとなって、2004年に同盟の映画が製作されて大騒ぎになった。このJ.T.リロイとして表舞台に出てきた時は、金髪で本当に女性か男性かわからない。実に神秘的な人間なんです。つねにサングラスをかけていてしゃべるのは苦手。まったく誰もうたがわずに信じ込んでしまったのですが、ところが2006年に正体がバレた。実は40歳のローラ・アルバートという女性がJ.T.リロイという事がわかって大騒ぎになるんです。なんで裏切ったと!J.T.リロイを攻撃しはじめる。J.T.リロイことローラ・アルバートは、この映画の中で多重人格的な事を言ってみたりするのですが、私はそうは見えなかった。いろいろ思うのは、一体本当の自分は何?という事なんです。もう一つ思ったのは、作品と作者の関係。アメリカの場合作品=作者というふうにとらえがち。だから本が出た時は、裏表紙に作者の写真が載せられる事が非常に多い。作品は本当は作者から独立していなければいけないのですが、そういう事ができないという事がバレてしまう。今の解説がないと理解しにくい映画だったのでかなり話ました。でもこれすごく面白い!ぜひ観て下さい。」(部長)

映画「作家、本当のJ.T.リロイ」は、アップリンク渋谷、新宿シネマカリテ他で、4月8日(土)から全国順次公開です。

そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、「ぼくと魔法の言葉たち」について書いています。実はこちらもドキュメンタリーなんです。面白いのでチェックしてみて下さい。

次回は、「大好きなディズニーの映画」をテーマにコメントを募集します!
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!!
来週もよろしくお願いします!

作家、本当のJ.T.リロイ

1996年に突如現れた謎の天才美少年作家、J.T.リロイ。女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』が話題となり、映画監督のガス・ヴァン・サントは『エレファント』の脚本を依頼。しかし、2006年暴露記事によって事態は一変する。J.T.リロイという人物は実在すらしない、その正体はサンフランシスコ在住の40歳女性、ローラ・アルバートだったというのだ。世界を驚かせたこの事件を、彼女自身の言葉と、記録されたガス・ヴァン・サント、トム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンら名だたるセレブ達との通話音声や留守電メッセージによって解剖していく。

4月8日(土)からアップリンク渋谷、新宿シネマカリテ他で全国順次公開
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/jtleroy/
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大倉眞一郎 おおくらしんいちろう

1957年熊本生まれ。
80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。