今年のアカデミーのノミネート作品で観たい映画
「ラビング 愛という名前のふたり」
今日のテーマは・・・「今年のアカデミーのノミネート作品で観たい映画」!
たくさん頂きました。「ラ・ラ・ランド」が授賞式前まではすごく多かった。で、授賞式後も多かったのですが「ムーンライト」がすごく増えました。面白いなと思いました。私は、これは観たいというのが「セールスマン」です。これは、イランのアスガー・ファルハディ監督の作品です。政治的な受賞じゃないかとも言われていますが、違います。コラムで紹介した、「彼女が消えた浜辺」や2012年にアカデミー賞の外国語映画賞をとった「別離」の監督でもあります。今回も素晴らしい映画だと思います。
●Vingaさんからは「ぼくと魔法の言葉たち」
「この映画は、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました。『自閉症の主人公が言葉を取り戻していく過程を追ったドキュメンタリー・・・仕事で発達障害を持つ子どもたちとかかわる機会がよくあるのですが、「言葉を取り戻していく・・・」とは言わないよなぁ…とちょっと意地悪に突っ込みたくなる自分に自己嫌悪(/ω\)とらえ方の違いかもしれませんが、興味関心がとても狭い子どもたちに、何か通じるものを感じさせて、心がつながった瞬間の感動というのが作品の中に見られないかと期待している作品です。』ということです。これ、試写を観てきたばかりです。受賞は逃しましたが期待は裏切りません。4月に公開になりますね。」(部長)
●夢結さんからは「海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島」
「『今、世界が直面している難民問題。イタリア最南端にある小さな島、ランペドゥーサ島。漁師たちが静かに暮らすこの島に押し寄せる、アフリカや中東から命がけで地中海を渡り、ヨーロッパへ密航する難民や移民たち。この島で暮らす12歳の少年の視点で描き出されている。う~ん、なんとも難しい問題。』ということです。そう、これヨーロッパが今直面している問題でもありますが、ヨーロッパだけじゃない全世界が直面している問題です。アメリカのトランプ大統領が移民、難民政策で非難をあびていますが、日本はトランプ大統領を非難できるのか、どうですか?と付け加えたくなります。」(部長)
●「ムーンライト」には、いれまじこさん、なまはげさん、ジェイさん、pomodoroさん、Shigeさん他多数から!
●「幸せなひとりぼっち」には、neroさん、tomomori34さん、ちわわさん、なのはなさん他多数から!
今週も、たくさんのご参加ありがとうございました!!
そして、今回部長が選んだ「今年のアカデミーのノミネート作品で観たい映画」は「ラビング 愛という名前のふたり」です!!
「この『ラビング』というタイトルを最初に見た時は、愛し合うという意味のタイトルだと思ったんです。そしたら違うんです。本当にそのままなんです。これ実話です。ラビングという名前の夫妻の話です。1950年代、主としてバージニア州が舞台になっています。バックグラウンドを先に言っておくと、バージニア州というのは、ワシントンD.C.に接している州で、バージニア州から南が南部、北はメリーランド州、ここから北は北部です。バージニア州では、1950年代は異人種間の結婚が禁じられていた。これ、アメリカの他の州でもあったことなのですが・・・ある日、ラビング夫妻は、突然逮捕されてしまいます。それは結婚をしていたから。この夫妻は、バージニア州では結婚してはいけない、違法だと知っていた。なので、ワシントンD.C.に行って結婚した。帰ってきて夫婦として暮らしていたところ逮捕されます。ただ、アメリカは州によって法律が違いますからありえたんですね。今では、もちろんそんなことはないのですが・・・その中でラビング夫妻は、目立つ活動をしてきたわけじゃない、本当に労働者階級、仲の良い夫婦、ただそれだけ。夫が白人で、妻が黒人。なんともその理不尽さにめまいがします。これなんなの、と。ただ、これが1950年代のアメリカの現実だった。で、ここから先なんですよ、1960年代に実は法律が変わります。そのきっかけとなったのは、ラビング夫妻です。これ、映画化を熱望して自ら製作に入ったのがコリン・ファースなんです。イギリス人がこれをどうしても映画にしたいと。映画人というのは、ここまで踏み込んでくるのかなと最近思いますね。自分のやりたいことはこの辺なんだと、だんだん感じてくるんだと思うんですよ、みんな。だから監督もやるし製作もやる、そんな作品がどんどんこれからも増えてくるんじゃないかと思います。楽しみです。」(部長)
映画「ラビング 愛という名前のふたり」は、3月3日(金)から公開です。
そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、こちらも今日3月3日から公開する映画、「お嬢さん」について書いています。LiLiCoさんからセクシーな映画をどうですか?とご要望がありましたので、ここに献上します。ちなみに18禁です。
次回は、「イギリスが舞台の映画」をテーマにコメントを募集します!
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!!
ラビング 愛という名前のふたり
舞台は、1950年代のバージニア州。大工のリチャード・ラビングは、恋人から妊娠を告げられ結婚を申し込むが、当時は異人種間の結婚は法律で禁止されていた。しかし、子どもの頃から深い絆で結ばれてきた2人にとって、別れるなど考えられない。そこで2人は法律で許されるワシントンD.C.で結婚し、地元で暮らしはじめるのだが・・・
自らの愛を貫き通すべく戦ったラビング夫妻の実話を映画化したラブストーリー。俳優コリン・ファースのプロデュースのもと、ジェフ・ニコルズが監督・脚本を手がけた作品です。
2017年3月3日、TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
公式サイト:http://gaga.ne.jp/loving/
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大倉眞一郎 おおくらしんいちろう
1957年熊本生まれ。80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。