J-me CINEMA CIRCLEの部員のみなさんと一緒に創るシネマプログラム

CINEMA CIRCLE

Mar. 10 2017

イギリスが舞台の映画

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

今日のテーマは・・・「イギリスが舞台の映画」!

いっぱいあるんだけど、その中でみなさん色々考えて送ってくれました。ありがとうございました!

●ヒデサンからは「ミス・ポター」
「いやぁ、まってたよ。『2006年 レネー・ゼルウィガー主演ピーターラビットの作者ポターの伝記をベースにした映画です。映画の中でピーターラビットが動き回るシーンは予想外でしたが、湖水地方の美しい風景は圧巻でした。彼女の人生を思いながら絵本を広げると、また違った感慨があります。』、はい。私はイギリスに7年いましたが、みなさんは外にしょっちゅう出かけていった。僕は湖水地方に魅せられて、毎回3泊くらいで行く、ずっと歩き回る。こんな美しい場所が世の中にあるのか、というくらい綺麗な場所です。もしイギリスに行かれる機会があれば、お出かけになることを強くおすすめします。」(部長)

●トゥルースさんからは「パイレーツ・ロック」
「これもよく気がつきましたね。1960年代を舞台にした映画です。当時、ラジオ放送はBBCのみ。イギリス当局の捜索を逃れるために、北海に浮かべた船の上からラジオ放送をやっていた。違法になるんですけどね。それを描いた映画です。おもしろかった、かかっている曲も出演陣も最高でした。」(部長)

●「ノッティングヒルの恋人」には、三日月さん、aoisoraさん、Tomomi Kawaguchiさん他多数から!
●「トレインスポッティング」には、Boodlesさん、naoriberryさん、スマホ症さん、ヨコさん他多数から!4月8日から続編も公開されますね!!

今週も、たくさんのご参加ありがとうございました!!

そして、今回部長が選んだ「イギリスが舞台の映画」は「わたしは、ダニエル・ブレイク」です!!

「この映画をおして下さった方もたくさんいました。のぞみさん、Snufkinさん、メガネ番長さん他多数の方から頂きました。この映画、ケン・ローチ監督作品です。心の底から好き。通常社会派とよばれる映画を撮っています。この前公開された『天使の分け前』もそうです。これはちょっとお茶目な映画で、いろんなことを上手く撮るんですよ。ただ、もう歳で『映画はとらない』と宣言していたんですよ。ただ、『この映画だけは絶対に撮る』と引退を撤回して撮りました。で、もう体力が続かないので、おそらくケン・ローチはこの映画が最後になると言われています。それが残念でならない。この映画は、2016年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。通常パルムドールはちょっと難しくない?と思う映画が多いのですが、これはまったく違います。ケン・ローチはちなみに、「麦の穂をゆらす風(2006年)」に続く、2度目の最高賞パルムドールを受賞です。 主人公のダニエル・ブレイクはおじいちゃんです。イギリス北東部ニューカッスルで大工として働いていた。このおじいちゃんが心臓に病をもつ、仕事を止められ生活保護を受けようとするのですが、あまりにも複雑。これはもしかしたら生活保護を受けさせないための制度なのかと、うがった見方をしてしまうくらい。そんな中、母親と二人の娘に出会う。そこから、苦しみと同時に味わう愛情の交流、それが見事に描かれています。どこの国も財政が逼迫していますから、医療制度もギリギリであることは間違いない。それはしょうがない。ただ、ここまでするかと・・・ダニエル・ブレイクはプライドの塊のような男ですから、ある行動にでる。とにかく観て欲しい。イギリスは社会保障システムが充実されていると世界中から賞賛されていた国です。ゆりかごから墓場までという言葉を聞いたことがあると思います。ところがその制度はいまだに残ってはいますが、完全に形骸化されています。そのくらい色んなことが今起こっています。そういう意味でも観て欲しいですね。」(部長)

映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、3月18日(土)から公開です。

そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、「おとなの事情」について書いています。イタリア映画です。スマホがいかに害薬をまきちらしているか、スマホがなけりゃどんなにこの世は幸せか、という映画です。コラム読んでください。

次回は、「春休みに家族で観たい映画(DVDも可)」をテーマにコメントを募集します!
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!!

わたしは、ダニエル・ブレイク

イギリス北東部ニューカッスルで大工として働いていたダニエル・ブレイクは、心臓の病でドクターストップがかかる。失職した彼は、国からの援助を受けようとするが、複雑な制度のため途方に暮れる。そんな中、シングルマザーのケイティと2人の子どもと出会う・・・
カンヌ国際映画祭で「麦の穂をゆらす風」に続く2度目の最高賞パルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品。

監督:ケン・ローチ 脚本:ポール・ラヴァティ
出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアース ほか
2016年/イギリス、フランス、ベルギー/英語/100分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/原題:I, Daniel Blake/日本語字幕:石田泰子
提供:バップ、ロングライド/配給・宣伝:ロングライド
3月18日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
公式サイト:danielblake.jp
© Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,
British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

大倉眞一郎 おおくらしんいちろう

1957年熊本生まれ。80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。

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