個人レッスンを受けていたバイオリンの先生にメッセージを送ったのですが…
R.N.ユキミ(50歳 女性)
私は50歳既婚女性です。このたびはどうしても自分では整理がつかなくて、おふたりに尋ねてみたいと思い、よろしくお願いします。
私は去年まで2年間バイオリンの個人レッスンを受けていました。先生は30歳の独身男性。
60分のレッスンは、やさしく明るい先生で、私にとっては、とてもいい時間でした。ときには近況や趣味、音楽の話もしたりして。ですが去年の夏仕事の都合で辞めました。
バイオリンを見るたびにいい時間、いい先生だったな、と思い出していたんですが、辞めてから2か月後、先生をFBで発見。街で知り合いを見かけたようなそんな軽い気持ちで、メッセージを送信。「お元気ですか?楽しい毎日を送っているようでうれしいです。またあいたいです」という内容で。
ですが、いつまで経っても既読にならず、友だちリクエストをしても反応がなく、
その後悲しくなりメッセージごと消しました。そして私は気づいたのです。彼は、多分すべて読んだうえで設定を変えたのだと。もう私が彼を探せないようにと。それは想像ではありますが、私は凍り付きました。
LiLiCoさん、私はこのことをどう受け止めたらいいのでしょう?彼はレッスン以外は関わりたくない、ということ?私は若い男性のレッスンを受けて勘違いしたおばさんだと思ったのでしょうか?
今からでも何か弁解したい気持ちにかられるのですが…考えをお聞かせください。
ユキミさん、勝手にホレちゃったんでしょ?
会いたいんだよ、先生に。好きになっちゃんったんだよ。お世話になった先生でもそういう気持ちがなければ、「また会いたいです」って書かないと思うよ。軽い気持ちでメールを送ったとは私は思えないな。
そこで、ユキミさんにチョイスした処方箋ムービは、
「あるスキャンダルの覚え書き」
2006年の作品、リチャード・エアー監督。アメリカで実際に起きた、女性教師の事件をもとに映画化された作品で、主演は、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの2大オスカー女優!
美しい美術教師(ケイト)に、執拗なくらい興味を持つ孤独な年配教師(ジュディ)との、スキャンダラスな関係を描く心理スリラーです。
屈折した愛情・愛憎にグイグイ引き込まれていく作品…。
私の人生でベスト3に入る作品です。15歳の少年とケイト・ブランシェットが演じる若い先生の禁断の愛を、ジュディ・リンチが演じるベテラン教師が友達のふりをして構うんだよね。ベテラン教師は最初は黙っていて、若い先生を守っている姿をみせるんだけれど、次第に2人の関係はどんどん変化していって…。
ユキミさん、どちらのタイプも持っていると思う。あなたは何かあれば、このバイオリンの先生と付き合えると思っているように見えるよ。軽い気持ちでメッセージを送ったなら、送ったことも忘れていると思うし。先生も生徒さんもたくさん持っているって考えたら、誰だかわからなかったのかもしれない。しつこくやっていくと、この映画のベテラン教師みたいな屈折した愛情を持ってしまうかもしれないから。
この映画見た感想は「女の心はホラーより怖い」。映画の中に「現実と夢の間に隙間がある」って印象に残るセリフがあります。ユキミさんもよくそれを考えてみて。
【LiLiCo'sチョイス!処方ムービー】
「あるスキャンダルの覚え書き」