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Aug. 03 2018
雑誌『OZmagazineTRIP 』 の編集長・古川誠さんに聞く、夏の癒し旅。
お話を伺うのは、スターツ出版株式会社から発売されている雑誌『OZ magazine TRIP』の統括編集長・古川誠さんです。
今回は、旅の達人でもある古川さんに“夏の癒し旅”についてお話を伺うんですが、現在発売中の最新号のテーマ『定番エリアとそのトナリへ 夏のひとり旅』も実は癒し旅なんだそうです。
ひとり旅が癒しの旅…どうしてなのか聞きました。
「毎年ひとり旅特集をやっていて、今回は定番エリアとその隣りへということなんですが、ひとり旅をつきつめて考えた時に、ひとり旅って初心者の方には難しい。人がいっぱいいるとさみしくなったりして。で実は有名スポットの隣町くらいに行くと、ひとり旅いいですよっていう新しい提案がしたかったんです。食べたい物も好きなものを食べられるし、誰の気を使うこともない。知らない間にタグづけされていたり。言えないことってあると思いますし。そういう意味で言うと、究極の癒し旅はひとり旅かなと思います。今はどんなこともシェアできる状態になっている中で、常に精神の緊張が続いていることがあると思います。みんながこうしていて、私もこうしているということが、みんなに把握されているというのは、つながっていていいというのもあるんですが、そこから抜け出したいというのも潜在的にあって。そうするとみんなで旅に行くよりは、ひとりも有効かなと考えました。それが企画のスタートにもあり、癒される言葉は難しんですが、究極的に癒されているのは自分が究極的にリラックスしている状態で、それを作るのはひとりで日常的なところから離れていくことが楽なので、癒しとひとり旅は相性がいいんじゃないかと思いますね。」
古川さんが、毎年訪れる癒しのスポットはどこなんでしょうか?
「今年は、仕事もプライベートも東京・離島に通っていて、神津島が癒されまくりポイントでした。とにかく東京の離島には観光客が押し寄せて、民宿とかも今の10倍近くあったそうですが、今はほどよい状況です。また、ジェット船で3時間半かけて行くんですが、この旅情感がノスタルジックなんですよ。漁業が有名で、アカイカはお刺身にしてもおいしく、あとは金目鯛ですね。お昼の定食は、金目鯛の煮つけがまるまる1匹と明日葉の天ぷらとゴハンとおかず2、3品で1000円!あとは、現地に行くと星空がものすごくキレイで、南に下がっていくと北限の星が見えたり。本当に降るような星空。あとは夜光虫が見られるので、海のナイトクルーズで、海の夜光虫を見に行ったり。島中がプラネタリウムなので暗闇の中で過ごせる、島ごとアクティビティといった場所ですね。」
ここからは、アートで癒される夏の旅です。
「今年で言うと、3年に1回のアートイベントの『トリエンナーレ』が新潟の越後妻有というところでやっているます。一面の畑、田んぼで、お米やおそばがおいしくて、3年に1回必ず行くようにしています。ここは、芸術祭がなくても毎年1回いく大好きな場所で。拠点が十日町と松代っていう小さな駅が2つあって、そこにキナーレというアート施設があり、そこがアートの拠点となっています。今年のトリエンナーレは、レアンドロイアルリッヒという有名なアーティストが、大きなアートを作っています。大地の芸術祭の開催期間が9月17日まで、夏の間やっています!」
最後に古川さんは、アートと楽しむ旅について、こんなこともお話してくれました。
「松代、十日町という場所は、本当の田舎町におじいちゃん、おばあちゃんがいっぱい住んでいるような、限界集落もある場所です。ここにアーティストがやってきて、アートをこしらえてやる2カ月のお祭りなんですが、これって何を言いたいんだろうなっていうのがあって、説明しきれない部分がアートの本質で。どちらかというと僕らの暮らしの中には分かりやすいものがいっぱいあって、全て分かろうとするけど、こういうアートの旅に出かけて誰かの頭の中をのぞくようなことをやっていると、分からなくてもいいなって、分からないことが心地いいってなって。それって日常的に忘れがちなことで、仕事はいつまでとか、私のこと好きなの?嫌いなの?とか、すぐに答えを要求されたりします。そういうことは、どっちでもあったりする。そういうのをアートが思い出させてくれるんです。そういう自然を使った、サイトスペシフィックというような借景というか、あるものをいかしたアートを見ていると人間の生活の本質や考えていることのあいまいさがなどがそ表現されていて。当たっているか分からないけど、仮説をたてることが楽しいので、ぜひ体験してみて欲しいなと思います。」
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