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今日は、東京・南青山で『0.6ライスブランオイル』という店を運営する株式会社 神明キッチン 代表取締役の尾益人さんにお話を伺います。
この『0.6ライスブランオイル』圧搾、圧力だけで絞った米の油である「米油（こめあぶら）」と「米糠（こめぬか）」を食用に加工して販売しています。
どうしてこのようなお店を作ろうと思ったのでしょうか？

「118年お米1本でやっていて、お米のトレンドを見ていると今が一番よくないのを肌で感じます。私としては、どうしてこんなに栄養価の高いお米がどうしてこんな扱いをされるのかが不思議なんです。そこで、お米の良さを説明する義務があるということでやりだしました。圧力で絞る製法ですと油の歩留まりがよくなく、取れ高がよくないんですが、この0.6というのは1粒の玄米から0.6％しか取れない貴重な油なので、圧力だけで絞っている物理的な手法です。一般的な米油は、薬剤抽出で化学薬品をかけて、化学薬品を取り除くために高熱処理をします。その時にトランス脂肪酸や、米特有のガンマオリザノールが半減すると言われています。我々はお米の良さをもっとPRしたかったため、トランス脂肪酸を出さずにガンマオリザノールをきっちり残したいというところにこだわりました。そこで我々がとった選択肢が圧力です。圧搾の油は商売に乗せにくく、日本では一人、一社しかなく、1年くらいやり方を教えて欲しいと、通い詰めました。」

そして、藤尾さんは、商品を作る中で、改めてお米の良さを感じたそうです。

「もともとは、米糠や米油は身近ではないので、私としてはもっと身近に感じて欲しいというところで、飲み方や食べ方の提案をしています。これをやって分かったのは、白米に比べるとこの米糠も米油も主役ではありませんが、主役を邪魔しないのにただ絶対に必要な栄養素という存在感があるんです。ですので、店舗では糠でソフトクリームやスムージーやベーグルを作るんですが、引き立て役になってくれます。お米の最大の魅力はここで、だから毎日食べることができるのかと思います。ですのでとても悲しいのは、お米の悪い分だけフューチャーされることです。なんでこんなに栄養素があるのに食べないんだろう？食べ物には様々な栄養素があり、糖質もありますが他にも成分が入っています。ですのねあんまりそこだけ切り取ってみるというのはどうなのかなと思ういんです。体はいろんな栄養素をとることでなりたっているので、どうやったらこれが伝わるのかと、いろいろな製品を作っていけたらと思っています。」

米の銘柄ごとに、油にも違いってあるんでしょうか？

「おもしろい発見があったのは、銘柄ごとに油を搾っていると銘柄ごとに特徴が出だんです。お米の油の特徴としては、植物性ステロール、γオリザノール、トコトリエノールというのが一般的に言われますが、トコトリエノールは、抗酸化作用が すごく強く、ビタミンEの40?50倍の抗酸化力があります。γオリザノールは医薬品にも登録されていますが、精神状態を和らげたありするような役割があり、植物性ステロールはコレステロールの吸収を抑える役割があります。それがお米の銘柄ごとに異なっているので、お客様に自分が求めているものを説明させて頂いています。料理にこだわっている方は、すごく微妙な差を気にされる方も多いので、米油の甘味や辛味を感じる方も多いんです。飲まれてから買われる方も多いですね。そのまま飲んでいただいても大丈夫なんですが、食事として楽しんで欲しいので、そんなに華やかな食べ方の提案ができないんですが、味ぽんとごま油とこの米油でドレッシングはいらないです。ただかけるだけですが、十分おいしいんです。」

そして気になるのが米糠パウダー！これはどんなものなんでしょう？

「もともと米糠のパウダーは作っていなかったんですが、米油をやっていく中で、私がとりつかれてしまい、なんとか米糠を商品化できないかというところで作り余した。米糠は発酵が早く、玄米の皮をむいたところから発酵が始まります。そのため酵素を死活させて酸化を止め、飲みやすくすることがカギです。粉砕だけですと水に溶けず、溶けないと使いにくいので試行錯誤で作りました。今使用している製法は加水分解といって、分子分解するようなやり方で水溶性物質を溶けやすくしています。薬剤を使ってパウダーにしたわけではありません。みなさんご存じないと思いますが、ビタミンAとC以外は入っているので、一般的なくくりでいうとスーパーフードになります。ビタミン、ミネラルの両方入が入っていて、たんぱく質も20％、植物繊維も30％、特にミネラルの中に入っている鉄分や葉酸です。なかなかナチュラルな鉄分は食材の中からはとれないので、女性からはありがたがられます。私はみそ汁に米糠パウダーをいれたり、ヨーグルトに入れていますが、このようにすると摂取しやすいですね。」