Jan. 15 2021
サステナブルなファッションブランド『PIPING HOT FUTURE』
今日は、FUTURITY BRANDS LIMITED JAPAN株式会社 マーケティング部のジョイス梨乃さんに、リサイクル素材を使うファッションブランド『PIPING HOT FUTURE』についてお話を伺います。
こちらのブランド、以前別のコーナーに出演してくれたモノンクルの吉田沙良さんが収録の時に着ていて、お薦めしてくれたことがきっかけで、今回紹介することになりました。
まずは、PIPING HOT FUTUREがどんなファッションブランドなのかを聞きました。
「PIPING HOT FUTUREは、昨年9月にローンチしたばかりのオーストラリア発のサステナブルグランドです。美しい海を守るためにというコンセプトを掲げて、生産過程ではエネルギーと水の使用を最小限に抑えるだけでなく廃棄物の排出を減らすため、全商品にリサイクル素材を採用することで、地球とと海の保全に努めております。元々は1975年にオーストラリアで誕生したPIPING HOTですが、ブランドが誕生した当時に一番最初に作られた商品がサーフィンで使うウェットスーツだったんです。サーフィンが盛んなオーストラリアで、冬に海水に入っても非常に暖かいウェットスーツ、つまり英語で言うPIPING HOT。保温抜群のウェットスーツを制作したのが、ブランド名の由来です。ブランドの立ち上げ当時から数十年、私たちと海との関わりは非常に深く、常に海が私達の商品作りのインスピレーション源でした。ですが近年の海洋汚染や産業性プラスチックゴミの流出によって、世界中の海が今危機にさらされています。残念ながらファッション業界が、海洋汚染に大きな影響を及ぼしてしまっているのも事実です。その悪循環をなくすべく、海や地球環境に対して負担のないファッションブランドを作りたい、そんな思いからこのPIPING HOT FUTUREが誕生しました。」
ファッションを楽しみながら、地球環境に対しての負担も軽減できるんですね。例えば服と環境汚染、どんなことがあるんでしょうか?
「以前からアパレルブランドには所属していたんですけれども、服を買い続けるということっていうのは環境に悪影響を必ずもたらしてしまうことが裏にはあるで、ファッションも楽しみながらも環境へ貢献できるっていうことが、少しでも根付いたらというコンセプトに私も共感をし、一緒に取り組みをスタートしたいと。Tシャツなどの素材となるコットン素材を一つ作るためにも、水が100リットル 必要になります。ですので弊社ではリサイクルコットンを使って、もうすでに再生されたコットン、利用済みのコットンを新しい素材に変えるという手段を使って、水の使用を抑えることができます。また染料過程で使う水の量もとても多いんです。それを抑えるために私たちは染色をプリントに変更したり、例えばタイダイ染をプリントに変えたりなどですが、そういった工夫を凝らして計画生産を行っています。他にも例えばリサイクルポリエステルという素材があるんですが、こちらは使用済みのペットボトルから生まれ変わった素材になります。現在、分解してフリーズなどアウターフェアにも使用しているんですが、従来のポリエステルと比べても見劣りしない保温性だったり、着やすさといった特徴もあってとても良い素材だと思います。」
PIPING HOT FUTUREの今シーズン、そして春物のおススメを聞きました。
「今季は、アパレルの他にムートンブーツが非常に人気なんです。ムートンブーツと言ってもうあの動物性の素材は一切使用せず、ソールの一部を除いて全てリサイクル素材を使用しています。スウェードっぽい素材から、ボア、キルティングを施したデザインまで、色も長さも幅広いバリエーションを取り揃えています。またこの春なんですが、私の活動に賛同してくださったサイラスとMILK FEDという二つのブランドとのコラボレーション商品として、限定のセットやフーディが発売されます。これまでもオーストラリアを拠点に活動するアーティストのクリスイーさんがグラフィックを採用するなど、今後も影響力の高いブランドやアーティストとのコラボレーションを通して、私たちの活動を浸透していければと考えております。タイダ染めのフーディですとかTシャツもあるんですけれども、リサイクルコットンもありますし、ポリエステルでのフリースっぽい素材のものでも展開しています。一番の特徴としては、本当のタイダイ染では先ほど言った申し上げた通り、お水をたくさん使ってしまうっていう問題点が出てきてしまうので、全てプリントで施しているっていうのがこちらの商品の特徴になります。」
ジョイスさん、最後にこんなことをお話してくれました。
「商品を作るからには、まず第一にサステナブルということを意識してデザインを行ってはいるんですけれども、それは決してデザインを妥協するということでは無いと考えています。環境への配慮とデザインの両方を実現したいということが、私達の思いです。トレンドは取り入れていますし、カジュアルなお洋服ではあるんですけれども、都会的なデザインを意識していますし、毎シーズンデザインをしておりますので、かっこいいお洋服なんですけど、実は裏にそういった背景があるということがクールだと思っていただければ、私達の狙い通りかなと感じております。サステナブルという視点だけではなく、かっこいい服というところから、まずはきっかけになっていただけたらいいなと思っています。そのきっかけとして次に良い物、環境に配慮した洋服を生活に取り入れてみたいと思っていただけたらというところは、私達の狙いかなと考えています。」