Feb. 05 2021
老舗銭湯『小杉湯』のおうちで楽しめるミルク風呂の入浴剤をご紹介。
明日、2月6日は風呂の日!(2がひー「ふー」みーの「ふ」で6が「ろ」)そこで、ユニークな取り組みをしている銭湯、東京・高円寺にある『小杉湯』をご紹介します。
創業昭和8年の『小杉湯』は現在87年目。お子さんから若者、高齢の方…多世代の方でにぎわっていて、昨年、有形登録文化財に指定された昔ながらの宮づくりの風情が楽しめる銭湯です。
まず、お話を伺うのは株式会社小杉湯 CSO チーフストーリーテラーの菅原理之さんです。
小杉湯では色々な人に小杉湯を楽しんで欲しいという思いから、こんなこともしています。
「土曜日曜は朝8時から朝湯をやっております。銭湯の中でも湯気抜きというものがありまして、浴室に高さがあるところなので、朝日が入ってくる中での入浴を楽しんでいただくことをやっています。あと加えて、深夜は1時45分まで営業しているので、今は緊急事態宣言中ではありますが、普段は終電が終わった後もお客様に来ていただき、1日の疲れを癒していただくような営業時間をとってます。その他の取り組みとしてパパママ銭湯です。通常の営業時間前に、お子様連れのお父さんお母さんにゆったり銭湯に入いただきたいなと思い、パパママ限定の貸し切りの時間帯を作ったりしてます。その時には実際に保育経験者であったり入浴をお手伝いするスタッフが、脱衣所や浴室にもいます。例えばお子様と少し遊んでいる間に、お父さんお母さんがゆったりお風呂に入っていただく時間を作るなどしています。お子様連れで来るとき、他の方に迷惑をかけてしまうんじゃないかっていうご心配持たれてる方や、まだ銭湯デビューさせたことが無く初めて来ていただく方ですとか、僕も3歳児の父親なんですが、お子さん連ですとゆったりなかなか入ってられない。自分の体も洗いつつ、子供の体も洗ってもワサワサワサ?っと出る!といった感じになってしまうので、ゆったり入浴を楽しむってのはなかなか難しい時もあります。そこをスタッフがいることで、ゆったり楽しんでいただけるっていう声は聞いております。」
小杉湯のお風呂は、男女共に44度のあつ湯、ジェット風呂、41度のミルク風呂に加えて、水風呂の4つの浴槽があります。あつ湯と水風呂を交互に入る≪交互浴≫が有名で、極めると宇宙に行けるっていう話も。また、あつ湯では、≪もったいない風呂≫という取り組みもやっています。
「小杉湯でやっている僕らが≪もったいない風呂≫という名前を勝手につけてやってるものなんです。小規模事業者さんですとか、地方の生産者さんの中で普段、生産過程で出てきていて、廃棄物になってしまっているもの、例えば畳の井草です。井草は、長方形に畳を切るので両端が切られてしまい、本来はそれを廃棄をしてるんですがそれを風呂に入れることで、香りが立ったり、お湯自体も柔らかくなったりする効果があるんです。そのようなものをいただいて、普段なら捨てられてしまっているものを使って、お客様が楽しんでいただけるお風呂を作るってことをやっています。それが例えば畳の井草だったりとか、あとは果物とかでも、出荷基準には満たないのでどうしても出荷的ない。せっかく作って全然味も美味しくなおかつ安全なものをお風呂も使い、さらにそれを番台の前でも売らせていただいたりして、お風呂と実際にお風呂上がりでもそれを楽しんでいただけるようなことを提供しています。僕らは銭湯は日常生活において何なのか?ということを話してるんですが、普段の日を【ケの日】と呼んだり、イベントとかがある日を【ハレの日】と呼んだりすると思うんです。銭湯というものは、【ケの日のハレ】じゃないかと定義をしています。日常の中にあるちょっとした非日常、少し気分が良くなる瞬間が銭湯なのかなと思っています。それを他の日常の中に持って帰ってもらえることを考えたとき、お風呂に入っていただくこともちろんですし、それを番台前で出会った商品など、こういうことは日常の中ではなかなか出会うことがないかもしれないんですが、ちょっといい商品などを知っていただいて、おうちに帰って楽んでもらう。そう言った【ケの日のハレ】ということを広げていけるんじゃないかと思い、こういう取り組みも行っています。」
さらに、株式会社銭湯ぐらしでEC事業・銭湯のあるくらしを担当されている、青木優莉さんにお話を伺います。
銭湯ぐらしの方たちは、小杉湯のお客さんで作られたそうなんですが、いったいどんなことをされているんでしょうか?
「自分たち自身が銭湯に救われる体験がありまして、それをもっともっと広めたいという気持ちで、株式会社化して銭湯のある暮らしを広めるために活動しています。小杉湯さんと一緒に企画をして、2020年の3月から小杉家の隣に複合施設を建てました。小杉湯さんが建てた施設を私達が企画運営をしているという形で、あの場を作る事業を行ったり、去年からのコロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて、なかなか小杉湯にこれない人にお風呂のもとをお届けしようということで、事業を行ったりなどの活動をしています。まさに先ほど≪もったいない風呂≫のお話があったんですけれども、その≪もったいない風呂≫ですが、例えば米ぬかであったりそういったものを私たちが一つ一つ手で詰めまして、それを毎月の定期便の方には8個の季節に合うものを私たちが選び、それをご自宅までお届けする活動をしています。今、80名ぐらい全国にお客さんがいます。日々いろんなことを模索しているんですけれども、例えば私達箱を開けたときに手書きのメッセージを書いてるんですが、今月からはちょっと暖かくなってきたので、何かそういう春めいたことをメッセージを書こうかといういうことであったり、あとはやはり今はなかなか顔の見える関係性が作りにくいので、毎月担当スタッフを決めて手書きでお手紙を入るなど、何か人のぬくもりや、温かさが感じられるような工夫を意識してやっています。あとは毎月ちょっとした驚きがあるといいなと思ってるので、何か一つでも新しい商品を入れられないかなど、そのようなことを企てながら楽しくお届けしています。」
小杉湯名物!創業当初からずっと続くミルク風呂の入浴剤『小杉湯のミルク風呂』が新たに販売となり、先月からは、銭湯ぐらしの中でも購入可能になりました。そして青木さんは、最後にこんな思いもお話してくれました。
「私自身、初めて行った時に、人があれだけ多世代に渡って集まる場が、とても気持ちのいい場所になっているということに、心を打たれました。やはりこういうところが家のそばにあったらいいなとか、もっと自分が知ってみたいっていう気持ちで小杉湯を知って、小杉湯のそばに引っ越したという経緯があります。そこから自分にとってのリビングのような存在になっていって、顔の見える形と少しお話したりなど、何もなかった日でも銭湯があることで自分にとっての【ケの日のハレ】になったり、そういう小さな自分自身を満たす間に銭湯がなっていった経緯があります。粉ミルク風呂に包まれて目を閉じ、ブクブクと泡に包まれてる瞬間に、やっぱりすごく癒されてたんだと。もう三、四年前なんですが、それからずっと変わらず自分自身がまずファンだなと思ってます。今回のミルク風呂のお届けも、私達の方からぜひやりたいとご相談させていただいたんです。それは今の小杉湯が文化財になっていくっていうことは、私たちにとってもすごく嬉しくて。自分たちがとてもファンだったミルク風呂をもっと全国の方にお届けしたいですし、ほんの少しの気持ちかもしれないんですが、私たちとしてもご協力したいということで、今回、売り上げの一部を小杉湯の建築保護に充てるという話し合いをしながら決めさせていただきました。皆さんに買っていただくことで、小杉湯やミルク風呂が長く続いていくっていうような仕組みにさせていただきました。」