Apr. 23 2021
安心おにぎり八十八をご紹介。
今日は、株式会社イートプランニングの代表である山守弘恵さんにお話を伺いました。
株式会社イートプランニングでは、杉並区の方南町駅から徒歩2分ほどの場所で『八十八』というおむすび屋さんを運営しています。こちらでは、おむすびを“豊香おむすび”と呼び、素材にもこだわりを持っています。
「お米は特別栽培米一等米のコシヒカリを使わせていただいていまして、海苔についてもとてもこだわりがあります。皆さんが普段食べてる海苔には、酸処理という処理をかけた海苔を使用しているのですが、八十八では無酸処理でよくオーガニック海苔と呼ばれる、無酸処理海苔を使っています。無酸処理海苔で香り豊かな、香りを大事にしたおむすびを作っております。昔ながらによく作られた海苔とお伝えするんですが、本当に海苔を摘んで自然乾燥という工程を踏んだ海苔になります。かなりの手仕事で手間もかかるんですが、時間と手間がかかった密度の濃い海苔になります。酸処理をしたものと比べると風味も違いますし、特に香が海にいるような感じがするんです。磯の香りがしっかり感じられるフレーバーになります。」
山守さんがこのお店をオープンしたのは去年の8月。それまで様々なお仕事を経験されて『八十八』を開店しました。どうしておむすび屋さんだったんでしょうか?
「もともと料理を作ることが大好きで、小さい頃から料理を作っていましたし、もちろん食べることも大好きでした。そこから料理を通じる仕事についたり料理を作ったり、作るだけではなくそれを伝える仕事や、その中でお米作りや海苔作りなどの生産者さん達の思いや、直接その工程などを聞いてるうちに、これはどうやって伝えたらいいのかと考えました。そこから、やはり1番ダイレクトに伝えることができるのが、食べていただくということだと思いました。この食べるということが一番大事なことだと思ったんです。そしてやはり香りも大事だと感じました。そのときの自分の気持ちや時間に向き合えることができるのは、やはりお店を出すということ、お店で食べてもらうっていうことだと感じました。『八十八』の由来ですが、米という字を崩すと、八十八となるんです。またお遍路さんなど、日本の神事ごとによく神事と言われることによく八十八や八っていう字がつくように、やはり私達の生活や文化の中で八十八という字が出てくることが多いと思いました。お米という字はもともと八十八回の工程があると、昔からおばあちゃんだったり学校の先生から私も聞いたことがあったので、お米作るの大変ですごいことだと常日頃感じていたんです。やはりそこをすごく伝えたいと思っていますし、自分の店名にもやはりお米という字を入れました。きちんと日本の伝統の食事、お米の大事さというものを私は伝えたかったので、『八十八』という名前をつけさせて頂きました。」
『八十八』で人気のおむすびについても教えてもらいました。
「人気なのは藻塩です。やはりお米と海苔をダイレクトに感じるということと、皆さんうちではこだわったお米や海苔を使っているということで、まず最初に藻塩を食べて、このお店がどんなおむすびを作っているのかということを多分見ていただいていると感じています。藻塩を買ってくれる方が非常に多いんです。また意外に小さいお子さんも必ず買っていきます。うちでは藻塩というものを使った、昔ながらのお米と海苔と塩で作ったシンプルなおむすびなんですが、甘さと香りが一番わかるのがやっぱり藻塩だと思います。お味噌も人気で、その中で使わせていただいているお味噌は『えちごいち』というお味噌で、お店の自家製お味噌になります。その自家製味噌を使った焼き味噌を使ったものが、多分、人気ナンバーワンです。甘じょっぱい感じなんですが、こちらもおむすびのお米の甘さと海苔の香りと、この甘じょっぱい何か優しい昔ながらの田舎のお母さんを思い出すような味も人気の理由になっています。」
山守さんは『ちいき食堂』の活動もしています。いわゆる『こども食堂』と同じ活動で、毎週火曜日の夕方5時から7時まで、お弁当を販売しています。お弁当の値段は、お子様、学生、70歳以上300円、それ以外の方には500円、無償提供のケースもあるそうで、旬や季節の節句などを意識したお弁当になっています。女将が『ちいき食堂』を始めた理由を聞きました。
「ちいき食堂始めようと思ったきっかけは私が本当小学校一年生の頃から、ある事情で父と暮らすようになって、やはりその頃父がとても忙しく、なかなか皆さんがお食事をするような6時にはもちろん帰ってこれませんでした。遅い日は本10時だったら11時だったりということもありました。それを近所の方が私が遅くまで1人でいることを知ってくれた時に、もしよかったら家で食事しないとか、今日はたくさん作っちゃったからおいでよとか、いろんな家庭のお母さんたちはお父さんたちに声をかけてもらって、いろんな食事を食べさせてもらったんです。それがずっとずっと私の心の中にあって、私もお料理を作ることが大好きですので、できたらこれを大きくなった時に何か役に立てたらいいなと思っていました。そんな実体験からきています。そこで、ちいき食堂だったりこども食堂というものを始めさせていただきました。様々な世代の方がご利用してくれてますし、妊婦さんもいらっしゃいますし、もちろん小さいお子さん達を持ってるお母さんやお父さん方は本当に大変だと思います。一生懸命働いて、家に帰って1人でお食事を召しあがるような皆さんにご利用いただいています。」