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今日は栃木県足利市にある、大麦に特化した株式会社大麦工房ロアをご紹介します。お話を伺うのは、代表の浅沼誠司さんです。
大麦といいうと、食物繊維が豊富な穀物というイメージですが、浅沼さんはどうして大麦に注目したのでしょうか。

「元々は『ロア』という名前のケーキ店でした。栃木県の足利市で、2、3店舗ほど展開している町のよくあるケーキ屋さんでしたが、1997年に地元の大麦を使った大麦ダクワーズというお菓子を開発しました。それ以来この地元の大麦に特化したお菓子、食品作りを20年以上しております。当時は地方都市のどこにでもあるようなケーキ屋さんで、ショートケーキ、モンブラン、シュークリームや生チョコレートなどを作っていました。でもこれからは地元にもっと根ざした、地元の産物をもっと生かした商品開発がしたいと考え、栃木県の足利市という場所にはどのような素材があるのか研究していった結果、大麦に出会いました。当時大麦というのは、麦ご飯の原料などでしか用途が無かったんですが、それを粉にして、小麦ではなくて大麦でお菓子作りやパン、麺などの食品作りができれば面白いんじゃないかなと思いました。そこで大麦に特化した商品開発を始めて、現在に至っております。　」

浅沼さんは、生まれも育ちも栃木県足利市。栃木県が日本有数の大麦の産地と知り、大麦をお菓子作りに使えないか、また大麦でのお菓子づくりはまだ誰もやっていなので面白いかもしれないと思ったんだそうです。そこから大麦でのお菓子づくりへのチャレンジが始まりました。

「大麦と小麦は、漢字では一文字しか違いませんが、用途が全く違うんです。大麦を調べてみると、お菓子には使用しないんです。人がやらないようなことをやってみることは、楽しいと思ったんです。大麦で何かできないのかということをどんどん追求していくうちに、クッキーからパンからお菓子まで様々なものを作るようになりました。大麦と小麦の大きな違いは食物繊維で、大麦は小麦の約10倍以上の食物繊維を含んでいます。人間の免疫力は腸がつかさどるとよく言われていますが、食物繊維内には免疫細胞の70%がいると言われています。腸の中の善玉菌を増やすということはとても大事なんですが、善玉菌は食物繊維を食べ増幅しているそうなんです。食物繊維をたくさんとっていただいて、善玉菌を増やして腸内環境を健康にして免疫力を高めていただくには、大麦が最適な作物ですので、大麦の良さをお客様にお伝えをしています。」

大麦工房ロアでの一番人気は、小麦が一切入っていない大麦とおからのクッキーです、またおうち時間が増えた今、人気の商品も教えていただきました。

「当社でフリーズドライのおいしいお味噌汁を作っています。このお味噌汁は大麦を使った商品で、豆腐、揚げ茄子、かき玉キャベツ、小松菜と4種類の味がありますが、その中でも特に揚げ茄子が人気です。茄子がゴロゴロ入っていまして、茄子だけくださいっていうお客様も多いんですよ。味噌にも特徴が大麦にあり、九州の特殊な麦みそを使用しています。フリーズドライ商品ですので、お湯をかけると具沢山で、揚げ茄子や豆腐が出てきます。通常は味噌にしますと発酵しますから大麦が潰れるんですが、こちらはお味噌の発酵を調整していまして、大麦の粒をそのまま綺麗な状態で残した味噌汁で、お湯を注ぐと下から粒の麦が浮いてきます。とっても麦の存在感が美味しい、見た目にもとても綺麗でこだわりを持ったフリーズドライの大麦の味噌汁になっています。」

さらに！大麦よりもさらにすごい穀物もあるんです。

「一番おすすめは『焙煎もち麦』です。こちらを今、製造販売しているのですが、通常の大麦よりもさらに食物繊維が多いとされるもち麦になります。こちらをさらに焙煎し加工することで、通常のもち麦よりもさらに多い食物繊維とマグネシウム、カルシウムを自然のままに、たっぷり含んだ麦ご飯のもとである、『焙煎もち麦』という商品をおすすめ商品として販売しています。薄皮を残し丁寧に焼き上げて焙煎しています。これはうちの商品の最大の特徴でして、こういった商品は他にはありません。大麦だけでなく、例えば、みかんでもリンゴでも作物の栄養成分は皮の周辺に多く含まれます。この場合はもち麦ですが、皮むく時にほんの少しだけしか剥かず、皮を残すんです。しかしそのままではゴワゴワするので、それを適切な温度で焼き上げることによってゴワゴワがプチプチに変化します。そのプチプチ感を残し、かつ焼いてますから香ばしい風味になります。栄養成分も通常の白いもち麦よりも高くなります。非常に特殊な技術になりますが、丁寧に焼き上げることによってそれを実現しています。」