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今日は、東京・南麻布にあるオーガニックフラワーをメインに扱う花生け教室『hiyori』の代表である石村華子さんにお話を伺います。
石村さんは、農薬や化学肥料を使わずにお花を育てている生産者さんを訪ねた時、その思いや農薬を使わずに花が安心安全な理由を聞き、オーガニックフラワーを自分の花生け教室で取り扱っていこうと決めたそうです。

「オーガニックフラワーの需要が少いために、農家さんが増えないという問題を伺いました。環境に配慮しながらそこで働く方の健康を守った、その手間やコストがとてもかかるんですが、そういった栽培方法続けている生産者さんを応援したいと思いました。また、お花がキレイで素晴らしかったので、たくさんの人に知ってもらいたい、そしてオーガニックフラワーが花選ぶとき選択肢になればという思いがありました。花をずっと販売していた私たちでさえ、オーガニックの花があることを知りませんでしたし、買う側であればもっと知らないのではないかとイメージがついたことと、こんなにいい栽培方法があるのにも関わらず、生産者さんが増えないというのは、買う側である私達が安心・安全な花が欲という声さえ上がれば、生産者さんも必ず増えるだと思います。生産者さん自身が需要を増やすことは難しいことだと思うので、育てることに専念してもらい、提供する私がたくさんの人に広げられたらいいなというところで突き動かされた感じでした。」

オーガニックフラワーの良さは安心安全はもちろんのこと、それ以外にはどんな良さがあるのでしょうか？

「お花がとても健康で、見た目で言いますと、育てる農家さんによよって個性があります。少し曲がりがあったりなど、お花の一つ一つに個性があってのびのび自然の中で育ったんだなと感じさせてくれます。動きが結構あるようなお花も多く、そういったお花を使うとアレンジ自体も自然な雰囲気ののびのびしたものになったりします。品質の面では、お花の種類によっては違いますが、長持ちするお花ががとても多いんです。栄養たっぷりの健康な土で、化学肥料を使わずにお花の延命力でゆっくりすくすく育っているので、お花の繊維が強く水に浸かってても茎が溶けにくいっていう特徴もあり、茎が腐ってしまったり、花首が折れる、しおれる感じでお花が終わることは結構少ないんです。茎はまだ元気だけれど、花びらだけがハラハラと落ちるような終わり方をするんです。見た目の可愛さ、美しさだけでなく生命を全うしているような終わり方です。そんな姿をお花から学ばせてもらうことも多く、健康的な生命力といいますか、そういうことがオーガニックフラワーの魅力かと思っています。」

石村さんが主宰する生け花教室『hiyori』。生け花教室で、石村さんが大切にしている思いについて伺いました。

「『hiyori』が大切にしてる理念のようなことは、お花も人も心地よくといったことを大事にしています。やはりお教室というと、技術を学びたいとか、どうしたらカッコ良く生けられるのかという質問をされる方も多いのですが、『hiyori』ではそこはメインにはしていません。お花で人が癒されるだけではなく、お花が心地いいい生け方、扱い方をメインでお伝えしています。お花によっても、長さだったり、傾き加減でお花が生き生きとする生け方が、ずっと触っていると分かってきます。そんなお花の声を聞きながら生けていると、頑張ってカッコ良く見せようと思わなくても、自然にその人らしいというか、見ている人も気持ち良くなるような花生けというのが本当に自然と出来上がるんです。お花も人も心地いい生け方を伝えますということで、生け花教室をやっています。お花にも正面や後ろ向きなどの向きがあるんですよ。太陽に向かってお花も伸びているので、太陽にに向かう方がその子の正面の顔とも言えるんですが、葉っぱにも裏表があり、そのどれもが一番綺麗に見える角度を探しながら、長さも調節ししながら生けていきます。お花を1本持ってクルクルとまわしていると「ここがすごいかわいい！」といったポイントだったり、お花と目が合うような、必ずかわいいポイントがあるのでそういうことでも大丈夫なんです。 」

最後に石村さん、お花を生活に取り入れることについて、こんなお話もしてくれました。

「お花を眺める時間もとても癒され楽しいと思いますが、やはり一緒に生活する過程を楽しんでもらいたと思っています。「水が濁ってきたな」とか「この場所がちょっと苦手かなぁ」とか。生ける時には「この長さこの角度の方が心地よさそうだな」と、花を感じながら生ける。また香りや触ってみた感じなど、五感をつかって植物に触れる時間は、それが5分でも10分でも心がいつの間にか元気になっているんです。自分以外のものに注意向けて大事にする時間はなかなか持てないと思うんですが、お花だけに向き合っていると自分の悩み事も忘れてしまうような良い時間になると思います。私も心ざわざわする時や、もう嫌だなと思った時こそ花を生けようと思います。お花を生けていると落ち着いいてきて、悩んでいたことが大したことなかったという気持ちになるなど、いつの間にかあのざわざわしてたもごとが、自分の中でどうでもよくなったりなど、お花に救われれることが多いです。」