Jan 7 2022
料理家・飛田和緒さんに聞く、腸に優しいレシピ。
今日は1/7、七草の日です。年末年始にいろいろ食べたので、そろそろ胃腸に優しいものをという時期。
そこで、料理研究家の飛田和緒さんに腸に優しいレシピについてお話を伺います。飛田さんは、グラフィック社より『野菜はやわらかく煮るほどおいしい』を出版されています。
まずは飛田さんに、どうしてこのレシピ本を出そうと思ったのかを聞きました。
「野菜の柔らかさを改めて感じることが最近多くて、例えばこの本の中にも少し書いてるんですが、ブロッコリーを茹で過ぎてしまったことがありました。茹ですぎたから失敗というふうに最初は思ったんですが、茹ですぎたブロッコリーを食べたときに、あれもしかして今までのちょっと硬めに茹でたブロッコリーと全く味が違うなと感じて、それはそれですごく美味しかったんです。甘みもよくわかり、ブロッコリーの青臭さっていうか、ブロッコリーらしい甘みみたいなものをとても感じたので、これが失敗ではなく柔らかく煮ても美味しいものなんだというのに気がつきました。あとはジャガイモです。茹でたときに竹串は通りますが、竹串が通るから火が通った終わりという訳でははなく、竹串を通して柔らかくなったなと思っても口の中に入れると、もうちょっとだったかなということがとても多いんです。もしかしたら野菜をもう少し柔らかく煮るといいのではないかと感じていたので、それを編集者の方にお話しました皆さんはいつも柔らかく煮てると思うんですけど、もっともう一歩踏み込んで、その柔らかさを感じてもらいたいなあというレシピ本を作ろうと思いました。」
飛田さん、野菜のやわらかさがおいしいと感じるようになったのは、こんなこともあったそうです。
「実際に私が自分がちょっと歳を重ねてきて硬いものばかりではなくて、その献立の中に硬さもあり柔らかさもありといった、ちょっと食感の違いがある組み合わせの献立をするとそのメリハリがあってとてもいいなと思っております。それもあってこういう本をやってみたいと思ったんですけれども、自分が実際に歳を重ねて柔らかいものがとても美味しいというのが実際のところです。30代で仕事が始まりましたが、そのときには少しもそんなの柔らかさがしみじみ感じるなんていうことはなかったです。あとはやはりその子供を産んだことで、離乳食を子供に食べさせるときに、野菜をちょっとやわらかく煮るとよく食べてくれるし、自分でも食べると美味しいなと感じていたので、そういうところから少しずつ野菜の柔らかさ、柔らかさを出すお料理もいいんじゃないかなとは感じてました。多分もうちょっと私が若かったら、柔らかい野菜の美味しさに目覚めてないかもしれないなと思っていて、年を重ねてもいいことあるなと感じています。」
胃腸が疲れているこの時期にオススメのレシピ。まず1つ目は白菜!
「白菜はお鍋に切ったものをババッと入れて、呼び水みたいなものをほんの少し入れて蓋をして、コトコトコトコトじっくり煮ていただくと、もうそれだけでくったり白菜がとろけます。そこにお好みでお肉を入れたり、チーズをちょっと入れてトロリとさせるようなお料理がいいのではないかなと思って、本の中で言うと白菜と豚バラ肉の煮込みがあります。白菜はもちろんお肉もトローッとして、白菜とお肉が一体化するといいますか、一緒に食べると口の中で柔らかくどちらもとろけていくような食感になります。」
そしてもう1つは、もち麦を使ったミネストローネ!
「野菜はミネストローネなので小さく刻んで煮込んでるお料理なんですが、小さいながらもやっぱり柔らかく見ると野菜から出たうまみであるとかとろみがスープに溶け出して、本当に美味しくできるんです。撮影の時に、撮影時間もあるので慌ててその煮込み時間を少し短縮した形で器に盛りつけようとしたんですけど、編集者の方が「飛田さん、もうちょっと長く煮たほうがいいんじゃないですか」と言ってくださって、「そうだこれはじっくり煮なくちゃいけない料理だった」と思いもう1回やり直して、しっとりくスープに野菜の味が染み出たとても美味しいスープになったんです。ジャガイモも溶けるくらいですし、何しろ野菜の身がしっかりスープの中に溶け出しています。スープの素みたいなものは入ってないんです。ベーコンの塩系や、あとは野菜のスープストックというふうにレシピには書いてあるんですが、それがなければお水を使っていただいていいので、煮ていただくと野菜から染み出たうまみでスープが本当にお腹にしみるような美味しさになりますね。」