Dec. 9 2022
今年の『ハーブスマン`S』
今日は、茨城県行方市で有機パクチーやハーブを作って30年以上、『ハーブスマン`S』の福山久之さんにお話を伺います。
現在は、路地物のパクチーが旬を迎えていますが、今年は夏の猛烈な暑さと雨も降らなかったことで目が出なかったことで、通常最もピークになる11月に初めて欠品になってしまったそうです。その理由は、発芽のがよくなかったことだけではなくイノシシの被害も大きかったそうです。
「発芽が悪かったことに、プラス、最近はイノシシの被害が本当にひどくなってきて、せっかく芽が出たところをイノシシに踏み荒らされたり、土をほじくり返されたりして、そのダメージが大きかったです。今年はさすがにちょっとめげましたね。何をやっても駄目だったなっていうのがあるので、来年どうしようかと考えるほどに打ちのめされましたが、この負けたまま辞めるのも悔しいですし、もう少しまだ打つ手はあるので、ちょっとやってみようかなとは思ってます。イノシシもやはりいないと困るというか、自然の均衡を保つためには必要で、どのようにして付き合っていくかということが、大きな課題ではあります。やはり何かしら原因があると思うんです。イノシシをだけを悪者にするっていうのはやっぱりちょっと違うなと思っているので、うまく共存できれば一番いいんでしょうし、それがこういう自然環境の中で生きていくテーマであるのかなとは思っています。」
今年は、パクチー以外にも、ハラペーニョやハバネロ、タバスコという辛い野菜にも力を入れたそうです。そして、もう1つのオススメが、こちら!
「カレー好きな方はよくご存知かと思いますが、バスマティライスというインドでは高級米と言われている、ちょっと細長く独特の香りがあるお米があります。それに日本のお米、『日本晴れ』という品種を掛け合わせでできた品種で、『プリンセスサリー』という品種がありまして、うちでは『シャンバーラ』という名前で販売しいます。特徴は香りで、独特の香りがポップコーンや、あと何か枝豆にも少し似てるなと僕は思っています。炊いている時から部屋中にそのいい香りが充満して、さらに日本のお米の美味しさも加わっていますので、日本人にはとても好まれる味に作られてると思います。あのカレーやハーブ、スパイス料理、あとはパクチーにもよく合いありますし、チャーハンやピラフ、パエリアなどを作る時にもとても合うんじゃないかと思います。」
『ハーブスマン`S』のパクチーは、自然栽培だから毎年味わいも少し変化があると思いますが、今年のパクチーのお味はどうなのでしょうか?
「今年もすごく美味しいです。、手前味噌ですけど、自宅で食べても改めて「美味しい。パクチー美味しいな。」と感じます。女性はパクチー好きな方が多いと思うんですが、うちのパクチーを買って旦那さんに食べさせると、パクチー嫌いだった方が食べられるようになったとか、お年を召したお父さんお母さんも普通に食べてくれたとなど、割とやはり日本人に合ってるというか、うちでは他にも自家採種したりしてるのでやはりこの日本の茨城で育ったパクチーの味なんじゃないかなと思っています。毎回言ってるかもしれませんが、麻婆豆腐には必ずパクチーをかけて食べてます。あと春雨サラダにもよく入れてます。うちのスタッフがアボガドともよく合うと言っていて、パクチーをお皿に並べてその上に細かく刻んだアボカドを乗せ、お好みでツナなどを入れて、オリーブオイルやバルサミコとかをかけて食べるたら美味しかったと言っていました。」
福山さん、今年はもともと好きだったサーフィンも再開したそうで、海に出ると改めて環境のことを感じるようになったそうです。
「例えば畑で、環境に負荷を与えるようなものなど肥料分を使いすぎると、その地下水に染み出て川に流れ、それが海へ行くと、悪影響を及ぼすらしいです。でも逆に畑や山で、例えば落ち葉のミネラル分が分解されて川に流れて注いでいく、それがプランクトンの餌や小魚などの餌なって海を育んでいく。かなり昔、江戸時代ぐらいからやられてたようなんですが、漁師さんが植林をするということを今もやっている漁師さんもいるようです。大きくなった木がその葉を落とし、その葉が分解され川に流れて海に注がれ、それが海を豊かにする。みんな繋がっていて、海の水もやまた暖められて蒸発して雲になって畑に注いでいく。やはり循環をしっかりと意識していきたいという気持ちが、最近とても大きくなっています。」