Jan. 20 2023
静岡県のわさびをご紹介!
今回は、【やましちわさび】という200年ほど続いている農家から独立して、わさびの育苗、栽培と販売と苗の生産を中心に行っていらっしゃる、静岡県静岡市にある農業生産法人ユートレマ株式会社、代表取締役社長の小澤達彦さんにお話を伺います。
そもそもわさびってどうやって育つんでしょうか?
「わさびの栽培となると、ほぼ一年中、採ったり植えたりをずっと繰り返しているのがわさびの栽培の特徴です。普通の野菜ですと期間が決まっていて、一度畑を全部片付けてまた植えてというのを繰り返します。わさびというのは、一年中、同じとこで植えたり取ったりをしながら少しずつ場所を移動していきます。畑として見ると一年中どこかに必ず座ってるというような、そういった特殊な栽培をしております。わさびの苗は一般的な野菜に比べて非常に栽培に時間がかかる作物でして、まず種まきから始めると、完成させるまでに長いと3ヶ月程かかります。そしてそこから今度は畑の方へ植え込みを始め、さらにそこから12ヶ月から20ヶ月程かかるのがわさびの栽培です。畑の環境も、寒い、熱い、陽が当たらないなど、そういった要素などで栽培期間が大きく影響されるので、少々期間にばらつきはありますが、平均すると1年半から2年近くかかるのがわさびの栽培がになります。普通の野菜が大体3ヶ月前後なのでそれと比べると、約5倍かかってしまいます。」
わさびの生産量が日本一の静岡県。生産量は全国の約60%程を占めています。さらに、静岡市はわさび栽培発祥の地であり、日本で一番最初にわさびを育て始めたといわれています。しかし、そんな静岡市では、今わさび栽培が窮地に立たされています。
「昨年、2022年9月24日の台風15号で、静岡市にはかなりの豪雨に見舞われました。その影響で旭川の支流が増水し、土砂崩れなどで畑そのものが流出してしまいました。静岡市の面積の約3割程がそういった被害に遭ってしまいました。畑の形が残っていたとしても土砂をかぶってしまったなど、整備し直さないと栽培ができない状態の畑が全体の5割近くあり、何らかの被害を受けてるというのが、現在の静岡のわさびの現状です。被害状況が深刻な畑で、7割程の面積が消失してしまった状況で、正直、私自身もそのような大きいな、一番大きな被害に遭いいました。被害がかなり局地的で、全く被害を受けてない方も一定数いらっしゃいますので、地域全体として見ていくと供給量は減少はしているものの安定はしていますが、そういった部分で見ていくと、現在は市や国の行政の支援をいただいて復旧作業を始めているところです。正直なところ復旧にかかる時間とコストが、経営的には非常にダメージが大きく、そういった部分でクラウドファンディングなどを使って皆さんからご支援をいただきながらやっていければなと思い、クラウドファンディングを始めさせていただきました。我々の地場のわさびをお届けしたい、知っていただきたい。被害は受けていますが、わさび畑が全てなくなってしまったわけではないので、その残った部分のものを使って、リターン品という形で皆さんにお返しをできたらと考えています。」
静岡産の本わさびのおいしさについて聞きました。
「皆さん一番身近にあるわさびと言いますと練りわさびだと思います。練りわさびと比べると、香りが非常に強く、さらに甘みがあるのが本わさびの特徴です。弊社も、香りの強いものであったり、甘みとかなど、本わさびとしての特徴を持ったものを開発しながら提供させていただいております。本わさびは鼻にツーンと抜ける特徴があるので、その辺はご確認しながらになりますが、お子さんでも召し上がっていただけると思っております。わさびは細胞の中にその辛味成分に変化させるものがありまして、細胞を切ってそれぞれの生酵素反応させていかないと香りが出ません。ですので刻むよりは、できるだけ鋭いおろし器を使ってすりおろしていただくと、わさびの香りがより引き立つと思います。わさびは酵素の反応で、1分、2分くらいかけて徐々に香りが増していきますので、すりおろした瞬間から、わさびならではの香りしますので、それをぜひお試しいただければと思います。」
この本わさびをどのように食べるといいのかも聞きました。
「一番シンプルな食べ方として、友人の間でも好評なのが【わさび丼】です。普通の温かいご飯に、すりおろしたわさび、そして鰹節と醤油、それだけ入れて完成です。簡単にできますので、友人たちには一番評判が良い食べ方です。他は、普通に刺身やお肉を食べるときに薬味として使っていただくという、いたって普通の召し上がり方です。あとは、少々言いづらいのですが、ローストビーフなど、胡椒が効いたものとわさびの相性は非常に悪いんです。胡椒とわさびと、肉の悪いところを全部引き立てるっていうのは感じてます。お肉にしても、生ハムやステーキにつけていただくなど、そういった感じで食べていただく方がいいかなと思います。」