虎斑竹専門店 竹虎 詳細 >>
June 2 2023
無農薬で育てる虎斑竹で作った『竹虎』の竹製品をご紹介
今回は、高知県須崎市にある株式会社 山岸竹材店の代表取締役・竹虎四代目である山岸義浩さんにお話を伺います。
まずは、山岸竹材店がどんな企業なのかを聞きました。
「当社は元々の創業が大阪の天王寺で、明治27年(1894年)創業で今年129年目になる、竹材専門の日本の竹材メーカーです。元々大阪で創業してて、虎斑竹という虎模様が浮かび上がる竹があるんですが、この竹が高知県の須崎市の安和、本当にごく狭い地域なんですけど、そこでしか生育しない珍しい竹があります。この竹に特化して営業しておりますので、戦後は大阪からこちらの虎竹の里の方に本社を移して営業をしています。この竹が本当に不思議な竹で、たったの1.5キロの間口の細い谷間があるんですが、ここの谷間の山でしか生育しません。今まで全国各地の様々な場所で移植をしたんですが、なぜか同じような模様がつきませんでした。そういった変わった竹です。今ちょうどNHKの朝ドラで注目されている牧野富太郎博士という方がおられるんですが、その方が実は命名の父で、その先生の研究によると、細い谷間は少しだけ土質が違う。また他の大学の先生の研究では、土質に特殊な細菌がいて、この細菌のせいで竹に不思議な虎模様がつくんじゃないかとも言われてます。」
山岸義浩さんは、現在4代目。中高と全寮制で大学も県外で、10年以上家にいない状態が続いていました。そんな中、就職先を考えていた大学生の夏休み、家に帰ってきた時に不思議な体験をしたことから、家業を継ぐことになったそうです。
「いつも寝つきの良い自分が、その夜に限ってなかなか寝られなかったんです。真っ黒なその工場の方で誰かが呼んでいると思い、気になって寝れなくて、今にして思えば多分それは竹の声だったと今では思ってます。その夜はちょうどその小雨の降る夜だったんですが、パンツ一丁で母親のサンダルを足に引っ掛けて、その工場まで行ってそこで火事の第1発見者ってなったんです。そのときの火事は高知県中の消防車が来たっていうぐらいの大きな火事で、実は竹は、ものすごく油分のある植物なんです。竹屋の火事ということわざなんかありますが、一旦火がつくと消せないんです。消防団の人がまるで化学工場の火事だというぐらいに、水をかけてもかけても消せないんです。大きな火になって、燃え盛る火の中で自分自身も、今まで築き上げてきたものがなくなっていく。父も祖父もいたんですけれど、事情聴取みたいなんでどコカに連れていかれて、家の人が誰もいなくなってしまいました。当時60人ぐらいの社員がいたんですが、本当にその不安に震えてるその社員たちの前に立って、「心配いらないです。僕はこの会社を立て直します。安心してください!」とつい口から出てしまったんです。火事は翌日の正午ぐらいに鎮火しましたが、地域の人や社員とみんなで後片付けして、青空の下で再スタートを切るという、本当にゼロからのスタートでした。」
日本で唯一の虎斑竹の他に、真竹で作った製品も取り扱っています。
「この竹ざるは直径が60センチあり、丸型の普通の籠というと、少し深めのものを想像されるかと思いますが、浅い竹ざるになります。一番わかりやすいのが、夏場に食べるそばざる蕎麦の蕎麦ざるを少し大きくしたような形になります。竹を切るところから割って竹ひごにして、かごにして一つの形にも編み上げる。全て職人の手仕事です。機械の入るところは全くありません。編み方も網代編みと言って、目をしっかり詰めて、ぎっちり隙間なく編み込んだ編み方で、細かい物を干した場合も、下に落ちることがないという編み方です。こういったものでこれからの梅雨時、梅雨の晴れ間に梅干しを干す土用干しに使ったり、それから最近では干し野菜といって、余った野菜を食品ロスで捨てないで、長く間保管して美味しくいただくという、そういった方に安心安全な国産の竹ざるということで、人気をいただいております。適度に水分を吸って、通気性もいいですし、やはり何がいいかというと天然素材という安心感ですよ。やはり昔からずっと使われてきた竹ざる。機能性でも水分を吸って、乾燥にもとても適した素材だと思います」
山岸さんが「日本一美しい!」という食器かごについて。
「こういった竹籠が、例えばキッチンに1個あるだけで本当に場が和むというか、雰囲気がガラッと変わるんです。竹虎ではこういった茶碗カゴを使っていただくっていうことをおすすめしてるんですが、丸くて少し深さがあり、お茶碗やお箸、コップなど、様々な洗ったものを干しておくために、昔から使われてきた茶碗を干すためのカゴです。水切れがいいように、四つ目編みになっていって、便利で通気性も良く、底の四隅に足がついていて、ちょっと上げ底のような形になってますので通気性が良く、干した食器を乾燥させるのに非常に適した籠です。もちろん管理が悪ければカビ生えたり、それが痛むということもありますが、こういった自然のものを、日本人は大事に長く使ってきたんです。このような籠もどこか傷んでも加工性が高いので、すぐ手直しできるんです。手直しして長く使っているうちに、籠の色合いがもう本当に美しい経年変色をして、飴色なってくるんです。飴色になり、風合いも増して、まさに手放せないような、自分のパートナーような感じになってくるんです。そういったその昔ながらの日本のもったいない精神でながく繋いできた、伝統文化のようなものを行った企画から感じていただきたいと思ってます。」
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