今回は、東京・清澄白河にある、日本で初めての北海道産ナチュラルチーズ専門店『チーズのこえ』。2015年にオープン、北海道の中でも、ひとりや家族経営で作っている特徴あるチーズを取り扱っています代表の今野徹さんにお話を伺いました。
今野さんは北海道生まれ。北海道庁では酪農畜産を所轄する仕事をしていたそうなのですが、酪農や農業に対してもっと前向きな関係を作りたいと思っていたそうです。そんな中でプライベートでもチーズ工房によく遊びに行き、仲間のような関係性が構築されていく中で、北海道のチーズ職人の現状と課題を冷静に考えたときに、チーズ職人の方々はチーズを作ることに専念して売る場所を別にちゃんと作って、そこをベースに売り込むということを考え、皆で出資して立ち上げたのが『チーズのこえ』。
このユニークな店名の由来は、チーズの製造から販売に至る過程には様々な職種の人が関わっていて、その人の声の代弁者になれたらという思いもあり、『チーズのこえ』という名前に。チーズは発酵食品でもあるので、人間の手だけではなく天候であったり、環境であったりと、生きとし生けるものが関わる食べ物であり、そんなチーズの楽しみ方を、そのチーズの声をもっと多くの人に広めていきたいと思っていらっしゃるそうです。
そんな今野さんおすすめのチーズは、【チーズ工房チカプ】の『シマエナガ』という、クリーミーでミルク感もあふれる、とても食べやすい白カビのチーズ。もう一つは【ハッピネスデーリィ】の『森のカムイ』という、ミルク感もありながら、熟成感と兼ね備えたハードタイプのチーズ。
やはりチーズを販売するときには、お客様と会話をしておすすめしたいと、今野さん。お客さんとの双方向のやり取りをすることで、この場所が空間が成り立っているのかなと実感されているそうです。