今回は、長崎県の五島列島の大切な資源である椿を利用したスキンケアを手掛ける、五島の椿株式会社の代表である谷川富隆さんにお話を伺います。
長崎県にある五島列島は、自然も豊かな大小140程の島々から構成されています。その五島列島の地域資源のひとつが、藪椿という日本固有種の椿。五島の椿株式会社は、この五島列島の資源である椿を使った新しい産業を興し、雇用を創出するといった地域貢献を目的としています。椿を研究した結果、葉や芽、実などにもコスメに重要な成分が含まれていることがわかり、自社農園で採れた素材を使い、商品の生産も島で仕上げて全国へ発送。椿の収穫は、地元のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒にワイワイと会話をしながら、手仕事で収穫をしています。
島には大学が無いため、若い人は一度島外へ出てしまうそうで、大学で学んでも島内には受け皿となる産業や仕事がまだ十分で無いため、島に戻りたい若者が帰って来たい時に帰って来れるように、椿を使った産業を興したそうです。元々五島列島にも縁がある女優の吉永小百合さんも、島を元気にしたいというその気持ちに共感し応援されていて、36年もの間スキンケアのコマーシャルに出演されています。
スキンケアアイテムとしては、石鹸、保湿水、オイルなど、基本的に椿由来の成分をふんだんに取り込んだ商品を開発。椿の石鹸には、以前は不要だった椿の実そのものを乾燥し粉末化することで、天然の洗浄成分サポニンが泡立ちの良さを生み、さらには粉末化した果皮はスクラブの働きをし、古くなった肌の角質を絡め取ってくれます。「椿の葉保湿水」という化粧水は、椿の葉を原料にした商品で、葉からは藪椿テルペンという特異な成分が抽出。藪椿テルペンは油脂成分でありながら水にもなじみやすいという特徴を持っているため、肌の細胞となじんでしっかりと水分をお肌の中浸透。肌が潤い、さらには肌そのものの水分量を高めてくれる商品です。
オイルは五島列島産100%の純粋な椿オイルをふんだんに使用。椿の葉っぱの表面にクチクラ層というものがあり、椿の葉っぱをピカピカと保ち枯れないように保護しているのがこのクチクラ層。クチクラ層をオイルに配合することで、肌の上にクチクラ層が残り、肌を乾燥から守ってくれます。さらには椿を研究していく間に椿の中からアミノ酸を豊富に含んだ酵母を採取することができ、肌のツヤさハリに作用。
椿の石鹸で肌をキレイに、椿の保湿水で水分を与え、椿のオイルで肌を守る、3ステップのシンプルなスキンケア商品を五島列島から発信、販売されています。