今回は、京都府綾部市の里山で化学添加物不使用、古式天然醸造にこだわる昔ながらのお醤油を作る、「株式会社 今しぼり」代表の多田晃さんにお話を伺いました。
「今しぼり」は、京都の綾部市に移住し、自然の中で子育てをしたい若い家族たちが集まって作った会社です。子供たちの教育費をまかなうため、自然の中での生活を活かして収入を得る方法を模索した結果、20年前から醤油作りをしていた地元のお母さんの指導を受け、自ら醤油を作ることに成功しました。醤油作りは一般的には難しいとされていますが、大豆と小麦に麹菌を繁殖させる方法を学び、味噌作りに興味のある人々にこの技術を教えることで、仕事として成り立つのではないかと考えたそうです。
今しぼりが手がけるお醤油は、昔ながらの醤油作りを大切にし、無農薬の大豆と小麦を使って長時間発酵。現在の醤油は液体だけが販売されていますが、手作り醤油は大豆や小麦の全成分を発酵させた「もろみ」を絞って作ります。このもろみも含め、全てを無駄なく商品化しています。
その手作り醤油麹を使った「育てる醤油」は、醤油の麹、塩、容器がセットになっており、購入者は水を加えて混ぜるだけで自分で醤油を作れます。最初の1週間は毎日、以降は月に1〜2回かき混ぜるだけで、夏を越すと発酵が進み、味がまろやかになります。この商品は、自然の力で作られる独特の風味が魅力です。
さらに「今しぼり醤油もろみ」という発酵したもろみを商品化。これを絞ってできた醤油「生きてる醤油」も少量販売しています。今しぼりの主な商品は、醤油を自分で絞るキットや、絞った後のもろみも食べられる3種類の「食べる醤油」。これらをセットにした「発酵パワくんまるっとセット」は、ギフトとしても人気です。