今回は、山形県天童市にある三和油脂株式会社の代表取締役社長である山口與左衛門さんにお話を伺います。
三和油脂株式会社は、山形県天童市に拠点を置く、昭和24年創業の米油専門メーカー。1990年代後半、食用油が安くなりオリーブ油が注目される中、圧搾製法で熱を極力抑えた「こめ油」という米油を2000年に開発しました。2015年以降、米油がメディアで話題となり、家庭用の売上が好調に推移しています。
当社は、米ぬかから米油を抽出するという発想に基づき、創業以来、米油を製造しています。お米を精米する際に発生する米ぬかには、およそ20%の油分が含まれており、これを活用して米油を生産します。玄米の栄養が詰まった米ぬかや胚芽には、スーパーフードと呼べるほどの健康成分が豊富に含まれ、米油もその特性を備えています。特にオリザノール、トコトリエノール、ビタミンEなど、一般的な油には含まれない成分が豊富で、健康への高い効果が期待されています。
三和油脂で一番人気の「コメーユ」は、米の栄養成分を豊富に含んだ圧搾米油で、なるべく低温で搾ることでオリザノールやビタミンEなどの有用成分を豊富に残しています。特にオリザノールは他の米油に比べて約8~10倍含まれており、健康に良いとされ、安全で安心して使える油です。圧搾法でも熱がかかる中、極力熱を抑えた独自製法を確立し特許を取得。コメーユの味は濃厚ですが、オリーブ油のような強い風味がなく、軽やかであっさりとした後味が特徴です。特に天ぷらに使用すると、油っぽさが控えめで軽やかな仕上がりになり、これまで油ものを避けていた方にも好評だそうです。
米油は、野菜炒めや焼きそば、チャーハンなど様々な料理に最適です。焼きそばは、米油を多めにフライパンに入れて麺と一緒に炒めると、格別な味わいになります。チャーハンも米油で香ばしく仕上がり、軽やかな風味を楽しめます。また、キャベツの千切りに米油をかけ、玄米酢と塩、さらにしらすを加えると、栄養豊富で美味しいサラダが完成します。