今回は、お肌のアレルギーがある方にも優しいリネンやふきんを手がける株式会社YARN HOME代表の荒川祐美さんにお話を伺いました。
荒川さんがYARN HOMEを立ち上げたきっかけを伺ったところ、もともとアパレル業界で働いていて、お父様の寝具の会社を継ぐつもりはまったくなかったそうです。しかしイギリスに留学してホームステイをした際、ベッドリネンを定期的に替えてくれるホストマザーのおかげで、異国での緊張が少しずつ和らぎ、日々の小さな変化が心を癒してくれることを実感。その経験から、暮らしを整えることや寝具のもつ力に惹かれるようになりお父様の仕事に自然と関心が向き、ブランドを立ち上げる決心がついたそうです。
YARN HOMEでは、日本各地の生地屋さんや縫製工場と連携し、日本のものづくりを活かしたプロダクトを製作しています。生地の織りや縫製はすべて国内で行い、ベッドリネンやタオルを展開中。なかでも注目しているのが、福岡県の竜宮株式会社が開発した「パシーマ」という生地を使ったふきんやブランケット。これは元々、アレルギーに悩む先代会長の想いから生まれたものだそうで、医療用ガーゼと脱脂綿を重ねた三層構造が特徴です。赤ちゃんが口にしても安心なほどやさしい素材で、肌が敏感な方にも安心して使える製品を展開しています。
YARN HOMEで最初に手がけたプロダクトは「ふきん」。福岡県・竜宮株式会社の生地「パシーマ」を使い、オリジナルカラーとデザインで制作。パシーマは吸水性と速乾性に優れ、寝具の製造時に出る端切れを活かせるアイテムとして、まずふきんが思い浮かんだそうです。洗った食器を拭いたり、水仕事の手拭きに使ったりと実用性が高く、さらに肌に優しいため、赤ちゃんの口元を拭くなど多用途に使える安心なアイテムとして仕上がっています。
荒川さん自身、子どもの頃からアトピー性皮膚炎に悩まされていて、肌に触れるものはとても敏感に選んできたそうです。だからこそ、寝具や水仕事で使うアイテムも、安心して使えるやさしいものにこだわりを持っていて、YARN HOMEのアイテムは赤ちゃんや肌が弱い方でも使えるような、誰にとっても寄り添える製品を目指しています。パシーマは医療用レベルの純度で作られていて、仕上げ材などの薬品も使っていないため、最初は少しハリがありますが、洗うほどにふんわりと柔らかくなり、育てる楽しさもあるそうです。