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心地のいい本屋さんがある街!
お話を伺ったのは、株式会社スターツ出版株式会社から発売されている雑誌『Oz magazine』の編集長 古川誠さんです。
現在発売中の7月号はどんな特集なのか、お話を聞きました。
「6月12日発売号で『Oz magazine』は、30周年を迎えさせていただきました。そこで、いい本屋さんがある町は居心地のいい町だということで、本屋さんのある町を散歩しようという企画を特集しました。いろいろ企画がある中で、売れるものを考えたらもうちょっと別の考え方もあったと思うんですが、我々は紙の本でずっとやってきました。そしてそれを町の本屋さんが売ってくださったからこそ、いままでやってこれました。ですので今度は、書店さんに恩返しできる特集があったらいいなと温めていたんですが、こういう30周年というタイミングでできたらいいなということで、本屋さんを応援するといったらおこがましいかもしれませんが、本屋さんの特集ができたらいいなと思っていました。」
さらに本屋さんの特集を組んだのには、こんな理由もありました。
「そもそも『Oz magazine』のテーマが、毎日の中に寄り道をしていこうということで、寄り道を推奨する雑誌なんです。今、本はネットの書店ですぐに買えてすぐに届くというのにみなさん慣れていると思うんですが、本屋さんに行くと欲しい本の隣に違う面白そうな本があったりして寄り道を体現してくれる場所だと思いました。『Oz magazine』が言いたいことと、本屋さんに行ってみなさんが体験することは一緒だと思ったんです。僕らは心の寄り道と言っているんですが、目的と目的の間にあるものを見逃しがちな現代、本屋さんに行くと気づかせてくれるというか、私ってぼんやりしてたけどこれに興味あるかもという気づきですね。いい本屋さんになればなるほど棚の文脈づくりがとても上手なんです。例えば、ただ芥川龍之介だけの本が置いてあるのと、又吉さんの本の隣に芥川龍之介の本が置いてあるのでは、今の時代では効果が違う。本当は買わないつもりだったんだけど、変な本を買って帰っていたというのがいい本屋さんだと思っているんです。そういう本屋さんが増えていって、一緒に東京の町を盛り上げたいなと思っていたので、今回の特集をやりました。」
古川さんイチオシは、この本屋さん!
「荻窪と西荻窪の間に『Title』という本屋さんができて、どちらから歩いても15分くらい。駅前で本を買ったり、ネットで買って翌日届くことなど、本を買う行為として当たり前だったりするんですが、『Title』に関していうと、わざわざ遠くまで本を買いに来てほしいというメッセージが1つあるんです。遠くまで買いに来てくれたからには、新しいん本との出会いを用意していきますというメッセージも本棚に隠されていますし、買った後に、わざわざ遠くまで来てくれたのでという意味も込めて店内に休むことができるカフェがあるんです。15分かけて歩いてきてくれた人に目的の本だけ買って帰ることだけを目的にさせるのではなく、訪れただけの時間をかけて本を選んで、カフェで休んで、2時間くらい滞在して15分かけて駅に帰るというこの効率的でない感じがいいんです。効率的に毎日がガチガチといくのもそれはそれで沢山のことができるかもしれないけど、心が豊かかどうかというと別の話だと思うんです。この本屋さんのことを紹介したくてこの特集をやったといっても過言でもないくらい。町の本屋さんなんですけどね。」
最後に、古川さんに“本の町さんぽ”という特集をして感じたことについて聞きました。
「いい本屋さんがある町が悪い町であるはずがないと思っています。いい本屋さんの周りには、いいお店が集まってくるよねって。今回紹介させて頂いたエリアは、例えば、谷根千にせよ、荻窪にせよ、大資本で大きなものを大きく売るという考え方というよりも、個人が個として町の中で助け合いながら物を売ったり、物を作ったりしているお店が方が結果的に多いいんです。その文脈でいうと、物を作ったり物を売ったりするするお店の方の仲は良かったんですが、本屋さんの世界にもそれがおりてきなといけないと思います。本屋さんも大きな本屋さんが正義ではなく、個人の本屋さんにしかできないこと、たくさんあることがモノ作りとか小さな文脈で出始めていて、それはとてもいいことだなと思うんです。それをまとめて紹介したいということがあったので、よかったなと思います。」
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