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“食べもの付き情報誌”『食べる通信』をご紹介。
今日お話を伺うのは、日本食べる通信リーグ代表の高橋博之さんです。
『食べる通信』とは、全国35カ所から発行されている食べ物の情報誌で、その総大将が高橋さんです。
『食べる通信』はどんな情報誌なのか、特徴を聞きました。
「一言で言うと食べ物付きの情報誌、食べ物付きのマガジンです。世界初と言われてます。最近はいろいろなものに付録についてますが、女性誌ですとバッグついていたりしますよね。うちの情報誌には付録に食べ物ついていて、冊子には食べ物を作った生産者のライフストーリーが載ってるというメディアです。僕が東北から初めたんですが、北海道でも四国でもやりたい、県だとか市町村だとか集落だとかいろんなエリアで皆さんやってらっしゃると。東北は月刊でやっていて、最新号で取り上げたのは山形の庄内地方の秘伝豆という枝豆の一種です。食べ物が全部ついてきます。海産物の時はホタテが生きたまま届いて、自分達でさばいて食べるといったものでした。」
高橋さん、東日本大震災の復興活動をしていく中で『食べる通信』を作ろうと思ったそうです。
「僕も震災復興時に、たくさんの都市住民が被災地に来たんですね。それで生まれて初めて漁師さんや農家の方々に会ったんですよ。僕ら消費者か減ると食べ物のオモテ側しか見えないので、どうしてもそこで得られる情報は見た目とか食味とかカロリーとかになってしまう。もちろん大事な情報ですが、決定的に欠けてたのは食べ物の裏側にいる生産者ですね。やはり食べ物は生き物なので、育ての親みたいな感じでこだわりの教育方針をもって、それぞれ手間をかけて育てているんですよ。ところが今の流通に乗った瞬間そういう思いが削がれてしまって、中々思いまでは消費者に届かない。これは正当な価値にならないと僕は思っていて、生産者の思いものせて売ればもう少し正当な価値で売買される社会になるんじゃないかと。何でもそうでだと思うんですが、今は裏側が見えないので、僕としては車のガソリン補給みたいな工業的な食事と言ってます。自然は思い通りにはなりませんからいろんな苦労されたり翻弄されたり、もちろん感動とか命を育てるお仕事なのでそこの物語が見える事がある。最終的に人は味を舌だけで判断するものではなく、脳の情報を含めて美味しいか判断するので、同じ枝豆でもそれを知って食べるのと知らないで食べるのでは味とは違ってくる。裏側を知って食べるとより美味しく食べれますよという提案ですね。」
『食べる通信』を発行して5年。いろんな生産者を取材してきた高橋さんが、印象に残っている人はどんな人なんでしょうか?
「例えば、元々は東京でIT企業に勤めてたのですが、この世界にハマってしまい脱サラして、嫁さんの故郷の福島の会津に行って、就農しちゃったという彼、大友と言うんですが、先ずは彼の事を特集したという人の人生を変えてしまったという号もありました。僕は書いたり喋ったりしてますけど、やってはいないんですね、結局彼らの言葉を拾ってきてこういう場で喋らせてもらってるので、拡声器なんです僕は。一番説得力があるのはやってる人の言葉なので、この人達が今までほぼ沈黙してきたと、物言わぬ農家が美徳だとされてきましたが、他の産業は散々自分達の使ってるプロダクトの価値を発信してるじゃないですか。第一次産業もやってる人達の言葉が求められてると思いますね。」
『食べる通信』、全国35カ所で発行中ですが、みなさん、どんな理由で購読しているんでしょうか?
「食べ通は東北出身だったり嫁さんが東北の人だったり、割と縁のあるところからとって出来るだけ応援しようという人達もいるし、あとは半分皮肉込めて故郷難民と言っているんですが、やはり帰る故郷が無い人達が増えているんですよね。後30年経つと帰省ラッシュも無くなると言われてますが、都会生まれの都会育ちの人とは逆に田舎で生まれ育った人は田舎の環境に無いものを求めるから、未だに都会を求めているんです。逆に都会は昔は田舎者の集まりだったけど、今は純粋に東京生まれ東京育ちだから、東京に無い自然だとか近所付き合いなどに物凄く憧れてるんですよね。故郷みたいなもの。ですので田舎は人が少なくて困ってるので、だったら地縁、血縁が無くても第二の故郷みたいなものを都市生活者が全国に作って、夏休みなんかに子連れで遊びに行って、都市と地方がもっとかき混ざっていけばお互い救われる事があるんじゃないかと思ってます。 」
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