早坂信哉さん 公式ページ >>
お風呂に浸かりたくなる、ホッとなお話をご紹介。
今日は、寒くなると湯船に浸かりたくなる…お風呂のお話です。
お話を伺うのは、東京都市大学人間科学部 教授、子ども家庭福祉研究センター長 早坂信哉さんです。早坂さんは、生活習慣におけるお風呂の研究もされている医学博士なんです。
今はシャワーもあるから、湯船に浸からない人も多いかもしれませんが…
湯船に浸かるとどんないいことがあるのかを聞きました。
「断然、湯船に浸かった方がいいんです。理由は医学的にいろんなことが分かっていて、シャワーだと汚れだけが落とすだけですが、湯船に浸かると温まりが違う。温熱効果があります。体が温まると何がいいかと言いますと、血管が広がって血流がよくなる。そうするとまずは体に必要な栄養分や酸素が運ばれ、あとは血液の流れというものは、いらなくなった老廃物や二酸化炭素を回収します。疲労回復には、血液の流れが良い必要があり、外から見ても肌のツヤがよくなったり、皮膚のターンオーバーも血液の流れがあっての話なんです。下から新しい皮膚ができるのも血液の流れが関係していますし、いつもいい状態の皮膚を保つのは血液の流れがすごく大事なんです。いろんな研究結果が出ていまして、毎日湯船に浸かる方は健康寿命が延びるということも分かってきているんですね。」
身体的な面以外で、メンタル的にも、どんないいことがあるのか聞きました。
「だいたいの目安は、40度で10分間。そうすると体温が0.5度とか1度近くあがるんですが、結果として血流がよくなります。やはり温まってプラプカ浮く浮力がリラックスにつながります。肩まで浸かると、体重が約10分の1になると言われて、陸上にいると地球から引力に引っ張られて、そのぶん筋肉の緊張が必要になりますが、湯船に浸かりますとその間は解放されることになるので、筋肉がとっても楽になります。なおかつ先ほど申し上げましたが、血液の流れがよくなってリラックスができるようになります。リラックス効果でストレスから解放される効果があるので、嫌なことを水に流すという言葉がありますが、これもお風呂と関係しているのかもしれませんよね。当然、今日1日の嫌なことをお風呂で流されるということになりますよね。」
お風呂、夜はいる人もいれば、朝に入るという方もいると思います。どっちがいいのでしょうか!?
「どちらかというと、夜をおススメしています。睡眠との関係で、就寝前から逆算して眠る1時間半前にお風呂に入って欲しいですね。その理由は、湯船に入ると体温がいったん上がって、1時間半後には急速に体温が下がってきます。このタイミングでお風呂に入るとぐっすり眠れるということが分かっているます。体も冷えませんし、ゆっくり眠れるんです。中にはどうしても朝入らざるを得ないという方もいらっしゃいます。こういった方は、短時間で少し熱めの42度の湯船に使って下さい。シャワーでもいいんですが、これを2、3分、長くても4,5分続けます。朝はこれから仕事に出かけるというタイミングなので、42度の熱めのお風呂に短時間はいると交感神経が刺激されて体が刺激モードになるので、元気に活動するためには、少し高めのお湯に入るのがいいですね。」
後に、早坂さん、日本人とお風呂のこんな歴史についてお話してくれました。
「毎日、湯船に浸かっている国は聞いたことがありません。日本の場合は、温泉が豊かということがひとつ。全国で今、2万7000カ所の源泉があるので、お湯につかりやすい環境と、あとは仏教がお風呂に入ることを推奨して、お風呂に入ることが施しになると、人々をお風呂に入れるとそれがいいことにつながると考えていました。よく偉いお坊さんが温泉を見つけたという伝説がありますが、それにも関係するのかもしれません。お寺にも湯船を持っていたということもあるんです。実は日本の一番古い古い湯船は奈良の東大寺にあるんですよ。あとはお経でお風呂のことを読んだものもあったりもします。歴史的なことや文化的なこともあって脈々と続いているんでしょうね。」
早坂信哉さん 公式ページ >>