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手に持つだけでホッとする安心・安全の木製食器を紹介!
今日は、ぬくもりのある木製食器をご紹介します。お話を伺うのは、有限会社トマト畑が展開する『YOKOHAMA WOOD』の田中秀樹さんです。
こちらのブランドは【安全な食器づくりを取り戻そう!】をコンセプトに、原木の選定から加工・塗装・仕上げに至るまで薬剤は一切不使用という木製食器や、カトラリー、調理器具を手掛けています。
薬剤不使用の木製食器…どんな技術が詰まっているんでしょうか?
「もともと弊社の技術自体は、小田原漆器箱根という伝統工芸の技術になるんですけど、文献上、小田原市漆器は320年位続いていて、お椀を作ったり「拭き漆」と言う純度100%の漆を重ね塗りし、比較的日用食器を作る流派です。からくり箱を作る組み木の技術である、寄木細工はご存知の方もいらっしゃると思います。技術自体は、小田原漆器箱根細工の技術を使った工場となります。弊社の場合はとある理由から国内の木をほぼほぼ使わない取り組みになっていて、一般的に言うと経済産業省さんが認可してる伝統工芸の工場とはちょっと違った、異色の取り組みをしてます。もっとグローバルの意味で弊社の技術は正直すべてアナログすぎる結果、むしろ最新のイノベーションしかないんじゃないかと思われる技術になってますね。」
ある理由から日本の木は使っていないということですが、それはなぜなんでしょうか?
「比較的気候が似ているエリアの野生林が、例えば間伐できます。その木自体をある程度安定して採取するとなったときに、目をつけたのが今の拠点である中国になります。中国の木と言った時に、本当に安全なんですかと思われる方もいらっしゃると思いますが、とても広い国土の中で森林の宝庫がものたくさんありますので、実は産業価値が高い安全性において、とてもオーガニックに等しい野生材でありながら、全然産業利用されない。そこに弊社が目をつけて、提供していただけることになったのがきっかけです。今は間伐材と言って、あくまでも森林がほぼできる木をメインで使うようにし、世界中の森林、南アジア圏になりますが、そこに小田原漆器の技術を使うことで森林保護ができれば、それは日本人とってもとても光栄な事ですので、今はもう大きな目線で食器を南アジア圏の木を使って漆を使って作作っています。あくまでも溶出検査、食器の形にしたときにご家庭の皆さんが口に入れる食器を使う状態で、何がどれだけ溶け出すかという検証をして、マイクロミリグラムで安全性が実証できればその木や漆は安全性が極めて高いという事は、誰でも分かりますよね。その技術が今あるので、それを使って自主的に検査することにより、野生の木を保護間伐で使い森林も守れるし、作る人も使う人も守れるという取り組みが、YOKOHAMA WOODの根本的なテーマになります。これはトマト畑時代からずっと変わらない取り組みです。」
有限会社トマト畑が展開する『YOKOHAMA WOOD』の人気の木製しゃもじについてお話伺います。
「栗材で作ってるんです。これも野生材なんですが、栗材は昔線路の枕木や電信柱、家の土台、水車などで利用されていました。栗材が使われる事が多かったんですね。これはもともと耐水性が高く、例えばろくろでしゃもじの形に成形していく際もわかりやすく言いますと、ナツメの木や楓の木の研磨よりも8倍ぐらい時間かかるんです。そのぐらい芽が詰まっているんです。本当にカンナがびちょびちょになる位の粘りがあるんです。これがどういう事かと言うと、耐水性がとても高いことなんです。この耐水性が高い栗材も当然煮沸した後一年以上養生させて渋の分泌率を上げてるんですが、その上から漆を6回塗りを施します。そうすることでとても面白いんですけがシャって水に通して水を含ませてもらうだけで、漆の撥水力によってご飯がくっつかなくなるわけです。こんな何気ないところも知っていただくと、便利だね、すごい使いやすいねってなるわけです。これは伝統工芸の魅力ですし、全然衰退産業じゃないんですよね。知らないからどんどんどんどん端に追いやられてしまった。そして作る人もいなくなってしまった。売れないから食べていけなくなった。結果として職人を志す人も減ってしまった現場になってると、我々は思ってますね。」
最後に、田中さんは、こんなお話もしてくれました。
「極端な話ですが、弊社の場合は二酸化硫黄も全く使わないので漂白しません。汁椀1杯みても個体差しかない。夫婦で2杯、お子さんで3杯で、5杯選んでもらうと、その時にほとんどの方が「こんなに違うんですね」とおっしゃいます。利き手で持つと重さも違ったりと、これは好みで選んでいただくんです。その選ぶ時から実はモノ作りが大事で、選んでもらう作業で愛着が違ってきます。子供たちに自分たちに選んでもらって大事にしてもらう食器っては大事にしようと。塗り直ししてもらうだけで森林保護の繋がりますし、ご家庭全ての方が参加してくれたらどれだけの木が守れるかと思います。まだまだ小さい取り組ですが、長く使って塗り直しをして再生することによって、木を守る取り組みが本来の伝統工芸だったわけで、それができないとどんな技術を持っても使い捨てになります。ですので、YOKOHAMA WOODは伝統工芸が必要とされことのは、工場を定期的にワークショップを開催して、塗り直し、ろくろの現場、漆塗りの現場…細かいことは弊社のホームページで公開してくことになりますね。」
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