今が旬!秋田のじゅんさいブラザーズ
今日は、今が旬のじゅんさいをご紹介します。
お話を伺うのは、じゅんさいの栽培、加工をする安藤食品の近藤大樹さん、またの名をじゅんさいブラザーズ・じゅんさい次郎さんです。実は“じゅんさいブラザーズ”、近藤さんが勤める安藤食品の安藤賢相さんと一緒に作ったユニットなんです。
「安藤はじゅんさいをやっている会社の息子なんです。僕と彼は同級生で、僕その失われた3年ぐらいと言っているニート時代があるんですが、そこで地元でぶらぶらしているところに安藤が地元に帰ってきました。何やら近藤がフラフラしてるらしいぞと聞きつけ、「ちょっとじゅんさい手伝ってくれねーか?」と言われて手伝い始めたのが始まりです。安藤も帰ってきて何をしようかと考えている感じだった様でしたが、ホームページを制作するという話があり、そこで僕が写真撮り始めたりして、2人でやっていくには肩書きあった方がいいだろうということで、“じゅんさいブラザーズ”と名乗って、2人でじゅんさいの良さを広めていこうと結成されました。実際の兄弟ではなく、ヒップホップ的なブラザーの方で、ブラザーを名乗ってるだけですね。血の繋がりはないですが、ブラザー的な存在です。」
安藤食品がある秋田県三種町は日本有数のじゅんさいの産地なんですが、どうして三種町ではじゅんさいが採れるのでしょうか?
「じゅんさいは、日本では約8割は三種町で生産されてるんです、どうしてそんなに三種町で採れるのかというと、角助沼という大きな沼があって、そこでは昔からじゅんさいが自生しててよく採れてたんです。じゅんさいが採れるので食べる習慣はあったそうなんですけど、販売するなどといった考え方は当初なかったそうなんです。しかし、就職で関西の方に行った時にある方が関西にあったじゅんさいの加工会社で働いてたそうで、そこからじゅんさいという存在を知りました。その時、でもじゅんさいは私の地元の三種町(当時は山元町)にたくさん自生していて、角助沼という大きな沼に自生していますよと、関西の社長さんに言ったんです。そこから社長さんが見学に来て、とってもいいじゅんさいだし、とても大きいし、沼でこんなに収穫できるのであれば、収穫して販売しましょうということになりました。そこからじゅんさいを販売するということが始まり、三種町でじゅんさいがたくさん出荷されるってことなったんです。じゅんさいは日本中に自生していたらしいのですが、環境の変化や農薬がや生活排水の影響で、日本中でほとんど姿を消してしまっています。しかし三種町では、元々じゅんさいを守っていくという意識もあったかもしれませんし、水質もいいので今でもじゅんさいがたくさん採れる地域です。」
じゅんさい次郎さんイチオシの食べ方を聞きました。
「じゅんさいの一番簡単で僕も一番好きな食べ方は、沸騰したお湯にじゅんさいを放していただいて、30秒から1分ぐらいでじゅんさいの色が緑色に変わります。そうなりましたら氷水にとってもらい、よく冷やして、水を切って、わさびじょうゆやポン酢でツルッと、食べるのがとっても簡単でおいしいと思います。ちょうどこれから暑くなってくる時期に、じゅんさいはシーズンを迎えるので、冷やして食べるととてもおいしいと思います。地元では鍋にじゅんさいを大量に入れて食べます、鶏出汁ベースの熱々鍋にじゅんさいを入れると、じゅん際のとろみがスープに少し溶け込む感じで、トロッとしてツルッとしてとってもおいしいです。スープと一緒に煮ると、本当とってもおいしいです。味噌汁もとっても簡単で美味しいと思います。お吸い物や味噌汁、冷たいスープなど、汁物との相性がとてもいいので、味噌汁とかは簡単でとっても美味しいと思います。今の時期はもうじゅんさいフィーバーです。」
じゅんさい次郎さん、最後にこんな話もしてくれました。
「秋田県三種町も高齢化が進んできています。そのためじゅんさいの担い手、摘み手がとっても少なくなってきていまして、収穫量も最盛期に比べるとすでに4分の1程度に減少しているんです。ですのでこれからこの地域のじゅんさいをどう守っていべきなのかということは、大きな課題です。水中に自生し1個1個手積みをしなければならず、機械化がとっても難しいんです。白神山地の麓に素波里ダムがあるのですが、そちらから用水を配給してもらいその水で育てたり、また房住山という山から来る水脈で育てたりとしています。これからも水を大切にしていかなければならないと思っています。」