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東京都青梅市でオーガニック栽培!繁昌農園
今回は、東京・青梅市で有機栽培の野菜を手掛ける、繁昌農園の繁昌知洋さんにお話を伺います。
繁昌さんは農業を始めて6年目。代々続く農家ではなく、農業をイチから始めようと2016年に畑づくりをスタートし、現在は年間40品目、200品種ほどのカラフル野菜や江戸東京野菜、各地の伝統野菜などユニークな野菜も手掛けています。
「大学の学生時代に海の生態系の研究をしていまして、主に海や川の生態系の調査をしていました。生き物や地球上にあるその生態系を知れば知るほどとても面白くて、森や川や海は全て繋がってるんです。勉強するうちにどんどん面白くなってきたんです。普通なら大学卒業後は就職をすると思うのですが、その時に自然と関わる仕事がしたいと考えたところ、たまたまなんですがベランダなどで趣味で野菜を育てるのが好きだったんです。虫がいたり鳥がいたり、何か野菜はそれ自身でのみ生きているのではなく、様々な生き物の作用があって初めて身になるということに気がついて、これは生態系の研究ととても似ていると思いました。そこで農業をやりたいと思ったんです。せっかく農業やるなら、自然に近い、土を生かした土の微生物だったり、生態系を生かした農業をやれば面白い野菜ができるのではないか、野菜本来の味がする野菜を育てることができるのではないかと思い、有機農業を目指しました。」
繁昌さんは、海の生態系と農業にどんなつながりを感じたのでしょうか?
「メインは海の生態系やプランクトンや食物連鎖など、そういった分野の研究をしていたんです。研究を続けているうちに、みんなただ漠然とそこにいるように見えますが、それぞれの役割があり、みんなそこで生きているというところに何か感銘を受けたです。野菜を育てていて本当にすごいと思うことは、ただ単純に人工的に作った肥料を与えるだけでももちろん成長はするんですが、例えば病気になりやすかったり、土地それぞれの土の状況などによっても全く育たなかったり。色々やっていくうちに何が答えなのかわからなくなってくるんですが、いろいろと調べて考察してみると、多種多様な生き物で調和がとれて、初めて野菜も上手く育つんだなっていうところを実感しました。特にその畑の土だったり、その周りにあるその生態系をもっと尊重しながら野菜を育てていくことが、今後大切になってくるんじゃないかと思い、有機農業を実践しようと思った次第です。」
繁昌農園は、東京・青梅で農業をやっているので、お客さんとの距離感が近いことも特徴の1つです。農業、野菜を育てることを伝えることをチャレンジしています。中でもCSA、地域支援型農業という、1年分の野菜セットを月に1〜2回、お客さんにとれたての野菜を提供するという取り組みがあります。これはいったいどんな農業支援なのでしょうか?
「ただ単純に、その農家さんからお客さんに野菜を提供するという一方通行のやり方ではなく、お客さんが農家さんの畑に出向いて、種など農業の大変さだったり、野菜の周りには成長に働きかける様々な生き物がいることなど、何かそういったものをいろいろと体で感じ取っていただいだきたいんです。それで生産された収穫物をまたいただく。忙しさだけでなく、その楽しさや手間なども新たなその価値として提案できますし、お客さんも非常に珍しいというか、喜びに変わるというところがあるので、何かそういった新しい農業のようなところを日々模索しながらやっています。例えば今の時期、小松菜は葉っぱがそろそろ硬くなってきて、春が来たので黄色いあの綺麗な花を咲かせるんです。菜花を見たときに会員さんから「あれ?これって菜花ですよね?」という質問だったんですが、これは実は小松菜が菜花になったんですよとお話ししました。それを知ったお客さんはとてもびっくりされていまして、その小松菜の菜花は普通のスーパーには全然ないんです。ただ、それを菜花のトウのところを切って生で食べてもらうと、とてもポリポリしていて、甘くて、アスパラを食べてるような感覚に陥るぐらいとても美味しいんです。こういったものが畑のいたるところに転がっていて、そういった新しい発見なども、お客さんにとっては大きな価値になるようで、喜んでいただいてます。」
そして、最後に繁昌農園のこれからの展望を話してくれました!
「新しい農業の形として、アクアポニックス農業をチャレンジしてみようと思います。アクアポニックス農業はアクアと書いてるだけに、魚と野菜の両方を育てるんです。魚を育てる中で、魚が糞をします。その糞をろ過する役割が野菜の培地にあります。その糞が野菜の培地を通ることで、糞が微生物によって分解され栄養となるんです。その栄養となったものが、野菜の根っこから吸収されて野菜が育ちます。そこを流れた水は綺麗な水になり、また魚の水槽に戻る。ある意味、小さな地球を再現しているような新しい農業の取り組みがあるんです。農作物も生産はできるんですが、今後は養殖業がどんどん増えていくことで、環境保全にも繋がるんじゃないかなと思っていますので、魚の養殖も少し実践してみたいなと思っています。元々は魚の研究もしていたので、何かミックスするやり方がとても面白いと思いました。ですので今までやっていたことは全く無駄ではなく、これをまた活かせる一つのツールとして、どんどん広めていくことができるんだと思ってます。」