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創業94年の老舗『杉戸煎餅』の揚げかき餅
今回は、東京・葛飾区青砥に本店がある杉戸煎餅をご紹介します。
お話を伺うのは、杉戸煎餅 代表取締役の折原文子さんです。
創業96年以上という杉戸煎餅。杉戸というのは埼玉県の地名で、初代である折原さんのおじいさまの出身地なんだそうです。そのおじいさまが創業年数をちゃんと数えていなかったので、創業が96年以上とざっくりしているんだそうです。
まずはこの杉戸煎餅、どんなお店なんでしょうか?
「揚げかき餅をメインで扱っています。揚げかき餅とは、お餅を乾かして揚げたものです。生地を乾かすなど、様々な工程を経て三週間ほどで出来上がります。まず、もち米を蒸してお餅にします。お餅は一切水を入れない練り切りの機械を使用しています。それをかまぼこ型にして、冷やし固めて裁断し干します。干すのにはやはり3週間ぐらい必要で、ただ干しているだけでなく、干して休ませて、また干してしまっていという作業も行います。季節によっては干す作業は難しく、梅雨の時期は通常の何倍もかかってしまいます。つまり3週間では無理なんです。今の季節であれば、乾燥が進むので早く上げることができます。揚げる時には大きな油の釜で揚げています。大きな鍋の中で、泳がせるように揚げないと、パリっと揚がってこないんです。」
素材選びには、どんなこだわりがあるんでしょうか?
「国産のお米を使用しています。お米の収穫時期に食べ比べをして、今年は新潟で行こう、茨城でいこうと、仕入れるお米を決めています。国産ではありますが、絶対このお米でということはありません。土壌がいいと、お米に甘さが出ます。ですので使ってるのはもち米とおしょうゆと米油の三つだけ。去年まではサラダオイルを使用していたんですが、米油はさらっとしてるのと、酸化しにくいんです。体にも良いということもあり、こめ油に変えました。作り方もそうですけど、変に機械機械化したりすると単一なものはできますが、味わいがあるものができにくいんです。90年ぐらい同じ方法で作るのが、いいのかなと思っています。」
杉戸煎餅でおススメの揚げかき餅、どんな味があるんでしょうか?
「プレーンの生地にお醤油がついてるお醤油だけのものと、青海苔生地とゴマの生地とプレーにお塩がかかった塩味、それと米粒が入っている堅揚げです。一番人気はプレーンの醤油ダントツ人気で、7割の方これを選ばれます。皆さん、食べると止まらなくなると言っていただけます。単純にお餅のもち米の味と醤油で作られていて、シンプルだからじゃないかなと思います。お米がそんなに美味しくないものは、みりんが入っていたりしますが、これは単純に生醤油なので、シンプルな味が、皆さん喜んでいただいているのかなと思います。お塩は、女性に人気ですね。あとさっぱりしたものを好きな方にも人気です。さっぱりしているので、昔は夏しかやってなかったんです。塩は特にこだわっていません。いろいろな塩を試してみたんですが、産地やこだわりのある塩は美味しすぎて味に特徴が出ていて癖があるんです。もち米の本来の甘さよりその塩が勝ってしまう。ですのでうちで使っているものは、みなさんがお家で使われている食塩で、実はあれが一番美味しくできるんです。」
杉戸煎餅ではこんなアイテムもあるそうです。
「揚げ餅を作ると天ぷらもそうですが、揚げ玉が出ます。この揚げ玉は商品ではなく、一つ10円で赤十字の方に寄付させていただいています。今までは捨てたりしていたんですが、そんなに数が出ないためお1人二つまでにさせていただいてるんです。このまま食べてもいいんですが、焼きそばやお好み焼き、もんじゃなどお料理にお使いいただいても美味しいと思います。最後までカリカリとしているので、冷やしたぬきそばに、私は焼きそば入れます。普通の揚げ玉の様にシナシナにはならないので、お客様の中にはサラダのトッピングにされる方もいます。油であげていますので、ドレッシングにはもオイルは入れずにポン酢だけなど、いろいろと活用されてるようです。悪魔のおにぎりと呼ばれている、天かす入りのおにぎりに入れる方もいらっしゃいます。」