ゴジゲン全員集合会を前にいろいろあって裏日誌番外編。
ゴジゲン好きな番組アシスタントがその愛(?)を晒す変態日記です。
以下閲覧注意!
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毎週木曜日、何だかんだでMちゃんに会える日。
もう3年くらい木曜日はJ-WAVEにいるけれど、そんなこともあって会社の人には内緒だけど、JUMP OVERにつくようになってから、前より木曜日が楽しくなった。
「ゴジゲン回のM日記(※)、さめさんが書けばいいんじゃないですか?」
(※『Melancholy M/Mプロデューサーの憂鬱』リアル20代女子の日記を松居さんが朗読し、舞台制作に生かすコーナー)
ゴジゲンメンバー大集合を2週間後に控えた木曜日、Mちゃんはとんでもないことを口にした。当然丁重にお断りした。全リスナーが大事にしているコーナーに、知らないやつがいきなり、ゴジゲンへの(気持ち悪いほどの)愛を語る…いくらこの番組で「変態」が褒め言葉であっても、気持ち悪すぎる。そんなこと誰が望んでいるだろうか。
「でも、そうなったらMelancholyじゃないですね(笑)」
先週(8日)の放送終わり、再びMちゃんが提案。結局、冷静なスタッフがおなじ理由で却下。こうして裏で日記をしたためることになったわけですが、「好きなこと」を言葉にすることは難しい。どうやったってこの場合、寒い独りよがりなブログか、夜中のラブレター、むしろそれ以下。そのことを考えたらわりとこの1週間、Melancholyでした。
先週「ゴジゲンで誰が好きなの?」と聞かれたとき「箱推しです(笑)」と答えた時、ちょっと自分ゴジゲンのことそこまで好きじゃないのかな、と思えて少し焦ってしまった。さっきも「ゴジゲンに聞きたい事ある?」と聞かれて、あんまりなくて、また焦った。いやいやゴジゲンを好きな理由なんて、たくさんある。7年前に『極めてやわらかい道』を見て、『君が君で君だ』の原作と知ったとき、嬉しいのと同時に、あの日おなじ場所にいたはずの松居さんやが阿部さん(や尾崎さん)が、どんどん先に進んでいくのに、7年間なにも出来なかった自分が情けなくて仕方なかったほどに…だめだだめだ、もうなんかすでに気持ち悪い(苦笑)なんとか私という人間を知らない人にとって、ただのやばい日記で終わらせないために…と思いを巡らせたとき、ある本を思い出した。
私にとってゴジゲンは"ザ・ゾンビーズ"だ。
ザ・ゾンビーズとは直木賞作家、金城一紀さんの著書のなかで、『レボリューション NO.3』『フライ・ダディ・フライ』『SPEED』『レボリューション NO.0』に登場する男子高校生たちのチーム名だ。最高にバカで、楽しいやつら。高校生の時に『レボリューションNO.3』の奇抜すぎる当時の装丁にドキドキした。『SPEED』は優等生の女の子が主人公だ。ざっくりしたあらすじは自殺した家庭教師の女子大生の敵討ちのなかでの成長譚。黒幕に命を狙われたとき、救世主としてザ・ゾンビーズが現れる。物語の終盤、大学の文化祭に乗り込んで逃げる最中、こんなシーンがある。
みんなとこうやって走るのは、なんて楽しいんだろう。でも、私とみんなの背中が少し離れてしまった。
必死に走ってるのに。
また少し離れてしまった。
みんなみたいに思い切り太ももを上げて走っているのに。
また少し離れてしまった。
みんなみたいにがむしゃらに手を振って走ってるのに。
また少し離れてしまった。
がんばっても追いつけない。
待って、置いていかないで。みんな、早すぎるよ。
山下、お願い、転んで。
あ、出口が見えてきた。
みんなが、どこかに飛んでっちゃう――。
(金城一紀著『SPEED』角川書店p275より引用)
高校生の時、主人公の岡本佳奈子になりたいなあ、とぼんやり思ったことがある。クラスで「学校の先生になりそうな人ランキング1位」になったくらいマジメな自分を何度も重ねた。エキストラでいいから、『SPEED』が映画化されたらどこかに映り込んで、ザ・ゾンビーズの世界で生きてみたい。本もそうそうだったけれど、演劇の世界は、臆病な自分が踏み外せる唯一のやさしい悪だった。ゴジゲンの舞台を見ているとき、そんなささやかな自分の夢がかなったような気がした。映画化された『フライ・ダディ・フライ』でメンバーをV6の岡田准一さんらが演じていたけれど、そんなかっこよくなくてもいい。お金がなくても、けんかしてても、かっこよくなくても、もし生まれ変わって、男の子になって、演劇をするときは一緒に走ってみたい。ゴジゲンはそんな、憧れの存在です。