2017.04.29 ON AIR
【ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト】ヴァイオリニストの千住真理子さん、小説家の平野啓一郎さん登場

今週のレジェンド・ミュージシャンはクラシックの界のみならず、あらゆる音楽、更にエンターテイケント・シーンに影響を与えた天才『ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト』ゲストには、ヴァイオリニストの千住真理子さん、小説家の平野啓一郎さんをお迎えしました。

いつのまにかモーツァルトを弾いていたという千住さん。小学校3、4年生ぐらいからモーツァルトの曲の美しさを意識したといいます。中でもグリュミオーというヴァイオリニストの弾くモーツァルトが美しくて、悲しくて、これは何だろう?と、とても魅力を感じたとおっしゃっていました。選曲は小学校の頃にいちばん感動した「Adagio」メロディがシンプルなんだけど美しい、どうやったら綺麗に弾けるのかわからない、っていうぐらいメロディが美しいと。

平野さんとモーツァルトの出会いは、子供の頃、ピアノを習っていてすごく馴染みはあった。長く病気を煩っていたクラシック・ファンの伯父さんが“自分がいちばん辛いときに聴いて、心を慰められるのはモーツァルトで”と、小学生の頃聞いていて“解るような、解らないような”という感じだったそう。あらためて関心を持ったのは、中学生の頃、映画「アマデウス」と小林秀雄著の「モオツァルト」という本だったそう。選曲は”なんとなくモーツァルトが解る気がし始めた”というアルバン・ベルク四重奏団の弦楽四重奏曲第17番「狩」より 第1楽章。

千住さんは昨年、オール・ モーツァルト・アルバム「MARIKO plays MOZART」をリリース。“モーツァルトはいろんな曲を弾いてきたけれども、今まではヴァイオリン曲としてのモーツァルトばかり弾いてきた。ヴァイオリン曲じゃなくてもヴァイオリンで弾いても大丈夫な曲があるんじゃないかと思ったときに、弾きたいモーツァルトの曲がいくつかあった。それを弾いてみようと思った”とおっしゃっていました。

平野さんは“これだけ時代が経って、これだけ違う文化圏に住んでる人たちの心を捉えるメロディを創ったというのは、音楽だけじゃなく天才像としてみんなの関心を惹くところもある。スーパースターなんでしょうね”と。

お二人にはモーツァルトのキャッチ・コピーを考えていただきました。

モーツァルトとは?

平野さん「神と人間との中間」
“ぼくたちに近いひとり人間が書いたという感じもしながら、あまりにもそれが遠くて、宗教とか手を触れられない領域にも委ねられないような、やっぱり人間の天才なのかな?そんなところが中間という感じがする”

千住さん「ミューズに捕われた天才」
“本人の意思とは別に選ばれてしまった過酷な運命。本当に生きるのが辛かったんじゃないかと思うほど、音楽が湧いて湧いて、それを譜面にしなければならなかった天才”

最後の一曲はモーツァルトの演奏としては型破りなグレン・グールドのピアノソナタ第8番 第1楽章に決定。





■この収録は三菱一号館美術館で行なわれました。

PLAYLIST

Adagio In E For Violin & Orchestra, K 261
/ Anne-Sophie Mutter; Neville Marriner: Academy Of St. Martin In The Fields

弦楽四重奏曲第17番「狩」より 第1楽章 / アルバン・ベルク四重奏団

トルコ行進曲(ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331〜第3楽章) / 千住真理子

アイネ・クライネ・ナハトムジーク セレナード 第13番 ト長調 K.525 〜第1楽章
                                 / 千住真理子

アヴェ・ヴェルム・コルプス ニ長調 K. 618
/ Camerata Cassovia, ヨハネス・ヴィルトナー & コシツェ・ティーチャーズ・クワィア

ソナタ第8番イ短調K.310第1楽章 / Glenn Gould


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。
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■千住真理子さんは5/31に『ドラマティック・ブラームス』発売決定!詳しくはオフィシャル・サイトへ!

■平野啓一郎さんの詳しい情報はフィシャル・サイトへ!

次回のレジェンド・ミュージシャンは来月、11年ぶりの武道館公演を行う『Earth, Wind & Fire』ゲストには、ゴスペラーズの村上てつやさん、そしてダンス★マンをお迎えします。このお二人が、どんな熱いトークを繰り広げるのか!?お楽しみに!